RPAを利用した営業活動の効率化

 今回は「RPAは営業活動を助けるか」にフォーカスしていきたいと思います。RPAは、いつもの作業を自動化するもの、バックオフィスで使うものと考えていらっしゃる方にご一読いただき、営業活動でもRPAが使えそうだと感じていただければ幸いです。見積作成、請求書作成を事例にお伝えしていきます。

RPA営業活動を助けるか

はじめに

 社内の立ち位置を大きく2つ、フロントオフィスとバックオフィスに分けられます。金融機関などではさらにミドルオフィスという立ち位置も出てくると思います。社内でこのような言い方をしていなくとも、感覚としてご理解いただけるのでしょうか。

 営業活動は企業の中のフロントオフィスに位置付けられます。一方、経理や人事はバックオフィスです。皆様のイメージは、「業務の自動化=バックオフィス」の構図ではないでしょうか。実際、多くのお客様はRPAをバックオフィスでご利用いただくことが多いと思います。ここでは、まだ利用がすくないフロントオフィスに営業活動をあてはめて、事例をお伝えします。

営業活動の整理

 事例をお伝えする前に営業活動を簡単に整理して、どのフェーズを自動化したのか、ご確認ください。一括りに営業活動といっても企業ごとに大きく異なり、企業によっては営業の仕事ではないという場合もあると思います。ご了承ください。

営業活動の流れと自動化した箇所
・見積書の作成(自動化)
 ⇒社内見積と社外見積に大別され、社外見積の場合、Webサイト、メール等、取得方法も多岐にわたります。
  どのように見積を作成するかで難易度は大きく変わってくるでしょう。
・注文書の受け取りと受注登録
 ⇒営業個人が行うケースは減少傾向かもしれません。また、自動化の一環でRPA化するケースも増えてきています。
  自社の注文書か相手企業の注文書を使用するかで難易度は大きく変わるでしょう。
・注文請書の作成
 ⇒これは存在自体が減少傾向でしょうか。
・請求書の発行(自動化)
 ⇒営業個人が行うケースは珍しいかもしれません。企業によってはバックオフィスかもしれません。定型が決まっている分、自動化に適している可能性が高いでしょう。

以下に整理した業務の図を示します。

実際に自動化した業務

 事例のお客様は見積書作成と請求書作成を自動化しました。なぜ難易度が上下しているのか具体的にご説明いたします。

●見積書作成

 取引先20社のWebサイトから製品番号、製品名、単価等を取得し、Excelに書き出す業務です。Webサイトによって、直接情報が記載されていたり、在庫一覧のExcelをダウンロードして参照するサイトなど数パターン対応します。一見シンプルな業務に見えますが、見積書作成の中でも難易度は高めな印象でした。その理由の一部をご説明いたします。

・各社のWebサイトは全く異なる
 ⇒当然ですが、各社のWebサイトに対応すること自体が難易度を上げます。また、UiPathの設計次第で、その後のWebサイト追加の難易度が大きく変わるため、設計段階から配慮が必要です。

・UiPathが画面要素を認識できなくなる
 ⇒取引先がWebサイトを改修したり、考慮されていない画面が表示されたりした場合、UiPathを修正する必要があります。実際、運用開始後も画面要素に関する対応を行いました。

 

●請求書作成

 社内システムから顧客ごとの請求情報を抽出し、Excelに書き出す業務です。顧客ごとのExcelを作成し、最後は人手による加工を行い、営業が提出する仕組みです。見積書作成と比較すると運用後の対応は少なく安定した運用となりました。これについてもご説明いたします。

・社内システムのみで対応した
 ⇒社内システムのみを利用したため、画面の変更やイレギュラーがなく安定稼働の要因になりました。

・定型化されている共通箇所のみ対応した
 ⇒請求書作成は共通箇所のみで大きく時間削減することができます。定型に強いRPAという構図を表している結果です。

RPA向きな業務と所感

 「定型がある、画面が変わりにくい」RPA向きな業務を指すときによく使われる言葉です。これはその通りであり、請求書作成もこれに当てはまります。見積書作成も、社内の自社製品見積や予め取引先からExcelを提供されている場合は、これ当てはまります。
 一方、今回のケースのように難易度が高く、不向きと思われるものでもRPA化できるものがありますし、弊社のような業者に難易度自体をご相談いただくほうがよいと思います。

おわりに

 営業活動の多くが定型作業ではありません。その結果、なかなか自動化できず見積りに時間を割き、提案書を作る時間がない、よくある話ではないでしょうか。業務を行いながら、自動化まで実現することは容易ではないと思います。自動化したい業務がありましたら、BTCまでご相談ください。

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