対話型AIサービス「Kore.ai」を利用してみた

依然として新型コロナウイルスの流行が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
コロナ渦を前提として社会の仕組みや、働き方などが変容する中、オンラインで完結するサービスの重要性は更に高まっていると感じます。

そのような中で今回は対話型AIサービスについてのご紹介をいたします。
対話型AIサービスの一つである「Kore.ai」を検証利用する機会がありましたので、対話型AIについての概要と、サービスを実際に使ってみた感想をご紹介します。

最近ではユーザーとしてもAIチャットボット等の類似サービスに触れる機会が増えてきており、自社への導入を検討している企業様も多いかと思いますので、検討の手助けになれば幸いです。

1. 対話型AIとは

対話型AI(Conversational AI)については様々な定義が存在しますが、概ね以下の内容を指すことが多いと思われます。
音声やテキストの入力に対して、人間のような文脈解釈と自然な応答が可能なプログラム(サービス)

導入で触れたAIチャットボットとの関係性は以下の通りになります。
AIチャットボットから対話型AIという概念へと発展を遂げています。

チャットボットについては以下の記事もご参考ください。
https://rpa.bigtreetc.com/column/rpa-chatbot/

チャットボット以外の対話型AIの身近なサービスとしては、Amazon AlexaやSiriなどの音声アシスタントを思い浮かべていただくとよいかと思われます。
チャットだけではなく音声入力を扱えたり、AIを利用してルールベースによる機械的な応答だけではなく自然な応答が可能です。また、様々な外部サービスと連携した処理ができていることが特徴となります。

2. 対話型AIのユースケース

対話型AIはどのような場合に役立つのでしょうか。

身近なサービスの例としては宅配の再配達等をする際に用いるカスタマーサポート対応が挙げられます。本サービスでは、日常的によく使うチャットツールとの組み合わせでの提供をしており、ユーザーの利便性が高いサービスであると言えます。再配達の利用の際にも日時や要件を正確に入力しなくても、ある程度は意図を理解してもらえるため、ストレスなく利用できると感じております。

その他にも顧客との接点が多い業務で役に立つと思われます。たとえばヘルプデスク対応、コールセンター対応などが挙げられます。

対話型AIサービスでは、チャットだけではなく、音声入力等にも対応していることが多いため、様々なチャネルによる顧客対応が可能となります。
その結果、人に依存せざるを得なかった業務を対話型AIサービスによる対応にすることが可能となり、以下のようなメリットを享受できます。
・繁閑に応じた人員配置が必要なくなる
・サービス品質の平準化を行える

対話型AIでは人間に近い応答や、高度な文脈理解が可能となるため、これまでシステム等での代替が難しかった顧客に近いサービスに適用することが可能と考えます。

3. Kore.aiとは

今回ご紹介するKore.aiは、ノーコードで利用できるエンタープライズ向けの対話型 AI プラットフォームと製品を提供しています。
今回メインで紹介するAIチャットボットはもちろん、様々なサービスと連携したバーチャルアシスタントサービスが利用できます。
外部チャネルとの接続の容易さや、様々なサービスを包含していることが特徴であり、基本的には企業向けの大規模な利用を想定していると思われます。

サービスについて、詳しくはKore.ai社のHPをご参照ください。
https://kore.ai/jp/about-kore/

4. Kore.aiを利用してみた

実際にKore.aiサービスを利用してみましたので、ボットの作成手順と動作イメージを簡単にご紹介します。

4.1. 想定場面

以下のようなサービスを作成する前提でご紹介します。

<サービス概要>
国内旅行の予約サービス

<想定される機能>
・出発地・目的地の選択
・交通手段の選択
・日程の選択
・各種手配
・予約変更時の対応

4.2. 作成手順

今回は「出発地・目的地の選択」「交通手段の選択」部分のみを紹介します。
ユーザー入力の受け取り方、変数の利用方法、デバッグ実行方法の紹介がメインです。

① ボットの新規作成~ボット作成画面

まずボットを新規作成します。
以下が最初の画面になります。ブラウザ上で開発するツールとなっています。

 

「新規ボット」ボタンをクリックし、メニューの中から「最初から始める」を選択します。

 

ボット名を付けます。日本語にも一部対応しており、今回もデフォルトのボット言語は「Japanese」を選択しています。

 

以下がボットのメイン画面になります。
いくつかメニューがありますが、今回はダイアログタスクの作成方法のみご紹介します。

 

「ダイアログタスク」メニューを選択し、「ダイアログの作成」ボタンをクリックします。

 

ダイアログタスクの名前(インテント)を入れます。
ここに入力したインテントがチャットからタスクを呼び出す際のキーワードになります。

 

ダイアログタスク編集画面が表示されます。この画面でボットの処理を作成していきます。



② ボット編集-ユーザー入力の受取-

左上に表示されているメニューが利用可能なアクションになります。
ここから作成していきますが、手順が膨大になるため一部を紹介します。

まずユーザーの入力を受け取るための部品を作成します。新規エンティティを作成します。

 

 

エンティティの情報を入力します。エンティティの名前は後続処理で変数として利用する際にも使います
エンティティのタイプは選択可能です。(よく用いられる型は一通りある印象です)
例:
String:文字列
List of items(lookup):索引リスト
Number:数値

今回はList of items(lookup)を選んでみました。

 

歯車アイコンを開くと以下の画面が出てきます。jsonやcsvでリストを定義できるようです。

今回はユーザーに都道府県を選択してほしいので、以下のようなcsvファイルを用意しました。47都道府県分記載があります。左から順に「タイトル,値,同義語(複数可)」になります。

インポートすると以下のように自動的にjson表記になります。




③ ボット編集―ユーザー入力の活用―

次に同様に目的地を入力してもらいます。
同様に新規エンティティを追加し、以下の通り設定しました。
(List of items(lookup)には同じものを利用しています)

 

ユーザープロンプトには以下のような文言を設定しています。
ここの{{}}に囲まれた部分が変数になります。
変数は{{context.%ノード種別%.%ノードの名前%}}のような書き方をします。

 

上記と同じ手順で移動手段も入力してもらいます。

 

最後に入力してもらった情報を確認するためにメッセージとして出力します。
「メッセージ」を利用します。ユーザーの入力に応じてメッセージが変わるような仕様にしています。

 

④ デバッグ実行

作成途中で動作を確認したい場面が出てくると思いますが、画面右下の以下のアイコンからデバッグ実行画面を開くことが可能です。いつでも簡単にデバッグができます

 

以下のように実際にチャット形式でデバッグができます。
途中で「福岡」を「福男か」と誤字入力してみました。
特に設定等を行ったわけではないですが、自動的に似た県の名前を候補として提示してくれています。
このあたりの柔軟な応答が対話型AIサービスの強みの一つではないかと思います。

 

⑤発話パターンの学習

現在の状態では「旅行計画」と正確に入力しない限り、旅行計画ボットが応答しません。
曖昧な表現でも対応できるようにトレーニングを実施することができます。

ボットのメイン画面に戻り、「トレーニング」を選択し、旅行計画の「発話」をクリックします。

 

この画面で発話として認識させたいワードを追加することができます。

 

試しに3つ入力してみました。この状態で右上のトレーニングをクリックします。

 

トレーニングが開始されます。数十秒待つと完了します。

 

再度デバッグ画面に戻り、「旅行計画を作りたい」と入力します。
先ほどの3つの発話には含まれませんが、応答が返ってきているので、認識できていることが分かります。

 

ちなみにこの時の自然言語分析の評価も以下のような画面で確認することができます
「Score:0.907」となっているので、90%の確度で認識できているということが分かります。

4.3. 動作イメージ

上記のデバッグした時の動作を動画でご紹介します。

4.4. 所感

一部だけとはなりますが、ボット作成の手順を紹介いたしました。
チャットボット等の作成やAIを利用して自然な応答の実現はハードルが高いイメージがありましたが、
Kore.aiのようなサービスを利用することで、学習済みのAIエンジンを利用して、ノーコードで実現することができるということが分かります。

また機械学習を利用して簡単にボットのトレーニングを行うことも可能です。

今回紹介できませんでしたが、If文のような条件分岐や他サービスの呼び出しなども簡単に実装することができます。
(機会があれば続編でご紹介します。)

5. まとめ

今回は対話型AIサービスの一つであるKore.aiの概要をご紹介しました。
ご覧いただいた通り、ノーコードでボット作成が可能であり、特に事前に手を加えなくとも自然な応答を実現することができます。
(トレーニングを行うことでより自然な応答をさせることも可能です)

もちろん実際のビジネス利用においては、事前に設計や開発をする必要があるかと思いますが、高度な技術をノーコードで利用できる時代になっていることは確かであり、サービス利用のハードルは確実に低くなっていると言えます。

弊社ではローコード、ノーコードツールやRPAをはじめとする各種ソリューションを活用した業務効率化の実績が多数ございます。
今回紹介したKore.aiの他、業務効率化のためのソリューション選定や推進体制の構築、ルール作り等、お困りのことがありましたらお気軽にお問合せください。

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