プロセスマイニングツールのRPAプロジェクトへの活用検討

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    2020/05/17

1.はじめに

こんにちは。緊急事態宣言も延長され、リモートワークの一般化など今までの働き方が全面的に見直されている昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、これまでのRPAコラムでも何回か取り上げてきたプロセスマイニングツールですが、最近になって関心が高まって来ていてプロセスマイニングについてのネット記事も増えてきています。RPAとの連携にも期待が持たれているようです。
では、実際のRPAプロジェクトでは具体的にどのようなシーンで活用できるでしょうか?今回のコラムではRPAプロジェクトでよく起こる問題に対して、プロセスマイニングツールが具体的に活用するケースについて検討したいと思います。

 

2.具体的な活用シーン

RPA導入自体はしていても、全社展開に課題が残っている企業は少なくありません。
【参考】「RPAの部分導入から全社展開には課題が山積み」
https://japan.zdnet.com/article/35149734/
BTCでもRPAの全社展開を支援する事例は増えており、RPAの全社展開に必要なRPAツールの選定や各種標準化やガイドライン策定など幅広い範囲での支援をさせていただいております。そうした中でも各企業のRPA担当の頭を悩ませている問題としてよくあるのが、「RPA化候補業務の抽出」「RPA化対象業務の選定」「予算見積」の3つです。どれもRPAの全社展開をする最初期に直面する問題で、ここで躓くとRPA導入の効果が損なわれてしまいます。本コラムではこの3つの問題に対してプロセスマイニングツールでどのようにアプローチするかを検討します。

2.1 RPA化候補業務の抽出

まず、RPAの全社展開を実施する上で、RPA化を検討する候補業務をリストアップする必要があります。通常であれば、ユーザー部門からRPA化候補の業務を洗い出してリストを作成するのがセオリーです。しかし、ユーザー部門が多忙であったり、RPAに対する理解が乏しかったりしてRPA化候補業務が思うように提示されないケースがあります。そうした場合、RPA推進部門からユーザー部門に対して候補業務を提案したり、ヒアリングをしたりして、候補業務のリストアップのリードをする必要があります。ただRPA推進部門が必ずしもユーザー部門の業務に精通しているわけではありませんので、候補業務を探すのは容易ではなりません。
この問題に対してはプロセスマイニングツールで以下のような対応ができます。
・社内の主要システムのログをプロセスマイニングツールにインプット
・主要システムの業務プロセスを可視化し、主要な業務をリストアップする
ログを解析することで主要な業務を洗い出すことができ、その内容が候補業務のリストアップのたたき台として利用することができます

2.2 RPA化対象業務の選定

RPA化候補業務のリストアップの次は、どの候補業務をRPA化対象として選定するかが問題になります。選定の基準としては業務の頻度や削減の見込める時間などがあり、こうした情報はユーザーから容易に提供されます。しかし、選定基準として最も重要な、業務自体がRPAに適しているかどうかについては業務手順を把握する必要があります。業務のドキュメントの精査やユーザーヒアリングができれば、業務のRPAへの適合性は判定できますが、候補業務が多くなればなるほど時間がかかり、判定することができなくなります。この段階でRPAに適さない処理のある業務を選定した場合、導入効果の出ないRPAが開発されることになります。こうした限られた時間の中でRPA適合性の判定をしなければならない難題に対しては、プロセスマイニングツールを用いることで解決することができます。
・RPA化候補業務のログをプロセスマイニングツールにインプット
・主要システムの業務プロセスを可視化し、RPAに適さない処理があるかを判断
業務プロセスの可視化を自動的にすることで、業務のRPA適合性を判断する時間を大幅に短縮することができます。

2.3 予算見積

最後に、RPAの全社展開をするにあたり、開発のための予算の確保が必要になります。選定されたRPA化対象業務の開発工数を見積り、全体の予算を算出することが求められます。しかし、業務を選定した段階では、工数を見積もるのに必要な情報を整理するのは非常に難しいです。個々の業務処理内容の調査やユーザーヒアリングなどで必要な情報を入手して工数見積の精度をあげることも可能ですが、全ての対象業務に対して実施する時間を確保することはなかなか困難です。必然的に工数見積の精度は低いものになり、開発工程に入っていから工数が不足するケースが多いです。短期間である程度の精度の工数見積をするために、下記のようにプロセスマイニングツールを用いて工数見積の対象を整理することができます。
・RPA化対象業務のログをプロセスマイニングツールでプロセス可視化
・可視化されたプロセス内のそれぞれの処理に対して工数を設定し、業務自体の工数を算出
対象業務を処理単位に分割することで工数見積の負荷は軽減され、ある程度の精度をもった見積ができます。プロジェクト内でこうした見積を継続的に実施することで、さらに精度を上げることが可能になります。

3.まとめ

今回のコラムではRPA化業務の抽出・選定・見積に対してプロセスマイニングツールを活用する方法について検討しました。大量の業務候補を検討しなければならないケースにおいて、プロセスマイニングツールは効果を発揮すると期待できます。
プロセスマイニングは導入済みシステムのログ分析から既存業務の効果検証や改善点を洗い出すなどの手段として注目されていて、BPR用の分析ツールとしての側面が強いと感じます。RPAで用いる際にはもう少し突っ込んで、見積まで具体的に利用することができます。
もし、業務分析などを実施しているor実施予定でプロセスマイニングを利用できる環境にある場合、RPAでも活用してみてはいかがでしょうか。

 

プロセスマイニング活用シーン作業内容成果物
RPA化候補業務の抽出対象システムから主要業務をリストアップRPA化候補業務のリスト
RPA化対象業務の選定抽出した業務内にRPAに適さない処理がないか判定業務のRPA化の適正判定
予算見積業務内の処理単位ごとに工数見積業務ごとの開発工数

4.参考

https://rpa.bigtreetc.com/column/aboutprocessmining/
https://rpa.bigtreetc.com/column/proccessmining-celonis/
https://rpa.bigtreetc.com/column/processmining_abbyytimeline/
https://rpa.bigtreetc.com/column/processmining_summary/

 

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