業務分析の強い味方、プロセスマイニングのまとめ

 皆さんこんにちは。最近はコロナが猛威を振るっておりますが、いかがお過ごしでしょうか。筆者は今回のコラムを完全なテレワークの中で書きました。内容としては、1月から毎月掲載してきたプロセスマイニングについて、取り扱ったABBYY TimelineとCelonisの比較、そして今話題のテレワークに絡めたお話をしたいと思います。

 まず初めに前回までのおさらいですが、プロセスマイニングとは、システム等のイベントログを分析し、そこからプロセスの効率化や改善を図るための技術です。第一回のコラムでは、プロセスマイニングはどうやってログを分析しているのか、どういった製品があるのか、といったことを解説しております。第二回のコラムでは、プロセスマイニングツールでトップシェアを誇るCelonisについて、操作画面も交えつつ解説しております。第三回のコラムでは、OCR製品でも有名なABBYYについて解説しております。

ツールの比較

 

ABBYY Timeline

Celonis

日本語対応

他システムとの親和性

データソースへの接続

→salesforceとServiceNowはコネクタがあり、ログの整形が不要。画面からはFive9も確認できた。

イベント収集(Event Collection)

→SAPやsalesforce用など、30のコネクタがあり、ログの整形が不要かつ自動で収集が可能。

プロセス可視化機能

パス分析

→プロセスの可視化(図1,2)

プロセス分析(Process Analytics)

→プロセスの可視化(図3)

フィルタリング機能

プロトコル分析

→フローに対して、特定のステップの不足や順序の違いで検索が可能。

プロセスのクエリ分析

→複数のステップやフローの一部分のみ、などで検索が可能。

WithWithout検索

→プロセス分析にて、選択したプロセスを経由もしくは経由しない結果を表示することが可能。

予測機能

Forecast

→蓄積データに基き、プロセスの将来の状態を予測可能。

アクションエンジン(Action Engine)

→プロセスデータを蓄積させることで、AIにより、プロセスの最適化を図ることが可能。Process Automationを連携させることで、アクションの自動化も可能。

連携機能

 

プロセス自動化(Process Automation)

→SAP、Outlook、Gmail、Salesforceなどその他アプリケーションの特定アクションを自動で起動することが可能。

所感

・1つ1つのフローを精緻に把握しやすい。

・フローを分析することに主軸を置いている。

・ハッピーパスがわかりやすい。

・フロー図が直感的に理解しやすい。

・ステップ毎に回数や時間を表示でき、数字の遷移で状況をイメージしやすい。

・フローの中で各プロセスの位置づけが把握しやすい。

▼図1 ABBYY Timelineのパス分析(パス表示)

パス分析は、パス、すなわちプロセスの遷移の全てのバリエーションをタイムライン数の検出率順に表現しています。こちらの表示をパスからスキーマに切り替えると、、、

▼図2 ABBYY Timelineのパス分析(スキーマ表示)

各プロセスが状態遷移図のように表現され、視覚的にもわかりやすくなります。ABBYYにおけるパスのスキーマ表示はCelonisのプロセス分析に似ていますが、検出率順に表示が可能となっており、ハッピーパスが一目瞭然な点が特徴になります。

▼図3 Celonisのプロセス分析

 

一方で、Celonisでは、全フロー図内にステップの回数や時間を表示することができ、導線同士の比較が行いやすい点が特徴です。

プロセスマイニングの有用性について

 プロセスマイニングを利用することでどういったことができるのか、という有用性について以下のように考えてみました。

・ハッピーパス(再頻出ルート)と本来の正しい業務手順を比較することで、現業の状態を把握して、無駄の検知や手順が少ないことによるリスクなどを検知し、対策を講じることができます。

・各工程での所要時間や手戻りがあった回数を洗い出すことができるため、改善効果の大きい作業を見つけ出すことができます。また、対策としてツールの導入や手順の見直し、組織の改革、などの選択肢を決定する際のヒントとなります。

RPAと絡めた利用可能性について

 本コラムを掲載しているページはRPA COLUMNというタイトルですので、もちろんRPAに関係したお話もあります!

 これまでプロセスマイニングの特徴やできることをいくつかピックアップしてきましたが、プロセスマイニングとRPAは親和性が高いと考えており、RPA導入におけるプロセスマイニングの利用方法も考えてみました。

・RPA開発時には何をどうする、といった業務手順を全て把握する必要があり、業務担当者からのヒアリングであったり、作業手順資料の受領が必要となります。その際にプロセスマイニングを仲介することで業務内容が洗い出されるため、開発者は必要な手順を把握することができ、業務担当者は業務の整理、可視化といった作業負担を軽減することができます。

・業務担当者からのヒアリングや作業手順資料などから漏れてしまうようなイレギュラーケースも洗い出せることで、RPAの可用性が高まり、自動化の品質を高めることができます。

・RPAでは利用システムのバージョンアップや利用環境の変化に対応させるため、細かなチューニングや改修を行っており、開発時のドキュメントが現行バージョンに対応していないことで、仕様がブラックボックス化する可能性があります。そういった場合でも、プロセスマイニングがあることで、最新の業務手順から仕様を理解することができます。

今話題のテレワークに絡めたお話

 最近では、コロナの影響からテレワークを開始したケースが多々あるかと思います(筆者もその一人です)。その際に企業として気になるのが、従業員の管理が行き届かなくなる点。例えば、企業には労働契約法によって定められている「労働者が安全で健康に働けるよう、企業側が配慮すべき義務」があります。この法律では、物理的な安全性の確保のみならず、著しい長時間労働などをさせないことも企業の責任となります。しかしながら、テレワークのため、ただの勤怠管理システムだけでは実態が把握しきれない。そういった場合に、PC上の操作ログからマイニング(この場合はタスクマイニングと言います)して実際の労働時間を算出してアラートを上げる、といった運用も可能なのではないかと考えております。

 プロセスマイニングのツールは実態を把握する、ということに特化しており、現状を正しく知ることで正しい対策を打つことができるのではないでしょうか。

 

<過去のプロセスマイニングに関するコラム>

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