東京の夏は湿度が高く、汗っかきの私はグレーのTシャツが着れないな~と思う季節になりました。
本記事では企業でリスキリングをするためのポイントから、リスキリング後の将来まで想像してみてはいかがでしょうか、という内容になっています。
近年の日本のDX
タクシーやテレビでもクラウドサービスや電子契約システムの広告を見かけるようになり、日本のDXを感じます。その反面、知人の話からは、まだまだDXが進んでないのが実態なのでは、とも感じます。
2022年4月から高校では「情報Ⅰ」が必修化され、日本のデジタル化の教育も加速していきますが、その人材が企業に参入してくるのもまだ先の話です。今日本の経済を支えている世代がDXを進めなければなりません。
IPAの調査によると日本と米国のDXは以下が現状となっております。
「2025年の崖」という言葉が出てきたように、日本は数年後に大きなターニングポイントを迎えることになります。言わずもがなですが、日本のDX=日本企業のDXとなります。日本を支えていく皆様が、DXを推進していく上で重要なリスキリングのポイントについて解説していきたいと思います。
リスキリングとは
経済産業省ではリスキリングを「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
リスキリングは「re-skilling」という言葉から来ており、簡単に言うと働きながら必要なスキルを身に着ける再教育を意味します。本記事で意味するスキルとは、DXを進めていく上で重要なITスキルのことを指します。
近年はIT技術の目まぐるしい進歩により、人材のスキルの習熟が追い付かないという企業も多いのではないでしょうか。
ローコード、ノーコードに関する自動化や、AIによるアナリティクス、BIツールの利用など、デジタルツールを使いこなせるスキルを身に着けることが、今後のビジネスの成功のポイントになってくるでしょう。
よく対比されるリカレントは学校教育から離れ就職した後に、必要に応じて職を離れ学び直しを行いスキルを身に着けることを指しています。(働く⇒学ぶ⇒働くのサイクルで学び直すイメージ)
リスキリングを進めるための重要な2つのポイント
本記事では、様々なITに関するスキル、ツールの中で、業務効率化・自動化に関わってくる「ローコード・ノーコードツール」活用に重きを置いて、リスキリングのポイントを解説してきます。
環境の準備
- まずリスキリングするためには、必要なITツールを導入し環境を整えましょう。紙文化が根強く残っている環境では、DXを進めようとしても非効率で限界があります。例えば、ペーパーレスを進めるために電子契約サービスの導入や、クラウドサービスの導入によりDXを進める環境が整備されていきます。日々の業務で忙殺されているような部署や職員が主体的に改革していくことは難しいことが考えられます。企業が腰をあげて進めていくことが重要です。
- 続いて、社内でリスキリングを進める体制を整えましょう。大きな改革を行うためには、中途半端に実践しても効果を得られない可能性があります。企業をあげてリスキリングを行うことを前提に、社員の協力を仰ぎ教育体制を整備していきましょう。独ボッシュでは、全世界40万人の全社員をIT人材とするためのリスキリングを実施していると発表がありました。ここまでの大規模な教育の実施は難しいかもしれませんが、企業全体でリスキリングを実施する好事例となりそうで、今後の動向には注目していきたいです。(独ボッシュ、世界40万人をリスキリング IT人材に転換: 日本経済新聞 (nikkei.com))
コア人材の育成
環境が整って、初めて社員のスキルが求められます。しかし、いきなり利用システムが増え既存の業務方法が変わってしまうと対応ができず、困惑する人が続出してしまう恐れがあります。社内の身近な場所にITに詳しい人材がいれば、助け合いが可能となり新しい業務方法にも対応できますね。そこで登場するのがコア人材です。
- それぞれの部署から無作為にコア人材となる人を選出する、社内からITに興味のある人材を募り、一定期間を設けてIT教育をしていく、などコア人材となる人を選出していきましょう。全社的に行わず、数人から始めるスモールスタートでもよいでしょう。日々の業務で忙殺されている中でまったく新しいことを学んでいくことは大きな負担になるため、リスキリング期間を設け短期集中でコア人材を育成し、一気に人材育成を図るのも一つの手段です。
- コア人材を育成するために、社内のリソースだけでは十分に教育することは難しい場合があります。そこでITスキルを生業とするITベンダーを活用する手段があります。
以下の例のようにアウトソーシングしてみてはいかがでしょうか。
1.ITスキルの習得にITベンダーを活用する
コア人材には、業務で必要なITスキルの習得まで実践します。ツールの利用方法の教育、例としていくつかのサンプルを作成してもらい、それをもとに教育を進める、など大きな費用をかけず進めることができます。
2.ツールの導入~安定稼働までITベンダーと進めていく
ツールの導入時にITベンダーをヘルプデスクや開発者として契約し、コア人材を中心に内製化の体制が安定するまで活用する手段があります。少し期間が必要となりますが、安定した体制の土台ができるでしょう。
リスキリングによる恩恵とは何か
リスキリングを進めることにより得られるメリットや恩恵は様々ありますが、その中の一例を紹介します。
幅広い自動化が可能に
DXのための環境が整い、コア人材の育成まで進めば、あと一歩です。コア人材を中心に日々の業務を自動化していきましょう。
業務に精通したコア人材を中心に、日々の業務を自動化することでより効率的に自動化を進めることができます。
最近は、ローコードノーコードといわれるパズルのように簡単に自動化ができる技術が普及しています。IT技術に深く精通していない人でも、使い方を覚えてしまえば簡単に利用できます。
上記で示した自動化ツール以外にも多くのツールがあり、企業の導入しているサービスに最適な自動化手段を選択することができます。
コア人材を中心に周囲の社員も自動化を覚えれば、社内の雑務や煩雑な仕事は次第に人の手から離れていくでしょう。
働き方が変わる
DXの環境が整い、日々の多くの業務の自動化が可能となった未来を想像してみましょう。
- 日々の心的負担となるような業務がなくなり、より有益な業務に時間を利用できる。
- 残業時間が減る。
- リモートワークの頻度が増え、家庭、自分の時間ともに充実させることができる。
働き方改革という言葉が流行っていますが、ここまできて働き方改革の1つのゴールといえるのではないでしょうか。
最後に
リスキリングとは最終的に個人のスキル教育となりますが、その前提として企業が大きくリスキリングに向けて足を踏み出す必要があります。予算が必要、時間が足りない、など弊害も多いですが、リスキリング成功後の企業は想像以上に豊かなものになるでしょう。
弊社ではRPAやローコード、ノーコードツールを用いた業務自動化、ツールの利用についての教育や、チケット制による短時間の開発サポートなど様々なサポート体制が整っております。
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