無料でAIを学べるオンラインコース「Elements of AI」の演習問題についてまとめてみた

1.はじめに

こんにちは。寒かった冬が終わったと思ったら、早速花粉の影響を受け始めました。

例年のごとく今年は昨年よりも多い花粉飛散量のようなので、花粉症の皆さん頑張りましょう。

さて本コラムは、無料でAIを学べるオンラインコース Elements of AIの演習問題についてまとめてみた!という内容になっています。

Elements of AIに興味はあるけど演習問題があるみたいだし・・・と懸念されている方のお役に立てれば幸いです。

1-1.Elements of AIの紹介

「Elements of AI」は誰でも無料でAIについて学べるオンラインコースです。ヘルシンキ大学とフィンランドのIT企業であるリアクター社が共同開発しています。

開発の目的や概要については下記記事をご参照ください。

フィンランド発、無料でAIを学べるオンラインコース「Elements of AI | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

また、下記記事によると世界110か国50万人以上がこの教材でAIを学んでいるそうです。

教育先進国フィンランドの世界最先端のAI教材「Elements of AI」公式教材として国内初の承認!第3回 全国高校AIアスリート選手権大会 2022年10月30日地区予選(B日程)参加者募集中!|シンギュラリティバトルクエスト実行委員会のプレスリリース (atpress.ne.jp)

ただ、現時点で日本語対応はしていないため英語(もしくは他の言語)で受講する必要があります。

しかしGoogle翻訳やDeepLで翻訳可能なことに加え、翻訳後の日本語も比較的読みやすかったので英語に抵抗がある方でもあまり問題ないと思います。

1-2.Elements of AIの始め方

先ほど述べたようにElements of AIは、「誰でも」「無料で」学べるオンラインコースとなっています。

受講に必要な登録方法については下記記事をご参照ください。

ヘルシンキ大学(フィンランド)の無料AIオンライン講座"Elements of AI"に登録してみた | Good Lemon Technology (good-lemon.tech)

1-3.Elements of AIの構成

Elements of AIは基礎編と応用編の2パートに分かれており、基礎編は6つ、応用編は5つのチャプターで構成されています。

基礎編では、AIに何が出来て何が出来ないのかや、私たちの生活にどう影響するのかについて学びます。基礎編を受講するのにあたり、複雑な数学やプログラミングスキルは必要ありません。

応用編では、実際にAIを作成するために必要なアルゴリズムについて学びます。基礎編と異なり、応用編の受講には基本的なPython技術が求められます。

そのため、本コラムでは基礎編の演習問題についてまとめていきます。

具体的な講習内容についてはあまり触れないため、講習内容について知りたい方は下記記事をご参照ください。

Elements of AI を受講してみた | むこむこログ (mukomukolog.com)

2.Elements of AI(基礎編)の演習問題について

Elements of AIには、先述した通り各セクションに演習問題がついています。

セクションによって問題の系統や採点方法が異なるのでまとめていきます。

2-1.Chapter1:What is AI?

ロボットは人間の仕事を奪うのかや、次の10年で仕事は人工知能によってどう変わるのか等について学びます。

SectionⅠ : How should we define AI?

・各技術(スプレッドシートや株価予測、GPSシステムなど)がAIなのかそうではないのかを選択

SectionⅡ : Related fields

・オイラー図を完成させる(AI、機械学習、コンピュータサイエンス、データサイエンス、ディープラーニングが当てはまる場所を選択)

・各技術(自動運転車やオンライン広告の最適化、チャットボット等)が、統計学、ロボット工学、機械学習のどれに該当するのかを選択

SectionⅢ : Philosophy of AI

・講義内で出てきたAIの定義3つについてそれぞれ意見を述べる

・その上で、自分で考えたより良いAIの定義を述べる

※自分の回答は他の受講者によって採点される(それと同時に自分も他の受講者の採点を行う)

(この後出てくる記述問題は全て上記の方法で採点を行う)

2-2.Chapter2:AI problem solving

知性が必要とされるタスクを解決するのに使われる「検索アルゴリズム」について学びます。

SectionⅠ : Search and problem solving

・講義内で出てきたパズル(猛獣親子の川渡りに似たもの)の応用版を解く

・ハノイの塔を解く

SectionⅡ : Solving problems with AI

演習問題なし

SectionⅢ : Search and games

・講義内で出てきたパズル(三目並べ)を解く

2-3.Chapter3:Real world AI

現在のAI手法が実世界で実際に機能する理由の1つである不確実性の取り扱い方について学びます。

SectionⅠ : Odds and probability

・4つの事象(天気予報や政治予測)の予測確率が正しい確率なのか正しくないのか、もしくは結論付けることが出来ないかを選択

・確率(オッズ)を固有振動数に変換(1:1を1/2に変換)、もしくは確率をパーセンテージに変換(例:4.2%)

SectionⅡ : The Bayes rule

・ベイズルールを適用して、ヘルシンキで午前中に雲を観測した場合の雨の事後確率を計算する

・指定されたシナリオにおいて、ある一般女性が乳がんであることの事後確率を計算する

SectionⅢ : Naive Bayes classification

・指定された1単語の事後確率を計算する

・指定された一文の事後確率を計算する

2-4.Chapter4:Machine learning

機械学習の実際の手法について学びます。

SectionⅠ : The types of machine learning

演習問題なし

SectionⅡ : The nearest neighbor classifier

・表を基に、ある購入者に最も似ているユーザーを選択したり、ある購入者の次の購入物を予測したりする

・フィルターバブル(ユーザーが見たい情報のみ見える状態)に対する意見と共に、フィルターバブル以外のアイデアを述べる

SectionⅢ : Regression

・表を基に、予測される平均余命を算出する

・グラフを基に、予測される平均余命を算出する(2問)

・グラフを基に、大学受験に80%の確率で合格するために必要とされる時間を算出する

2-5.Chapter5:Neural networks

ディープラーニングとニューラルネットワークについて学びます。

SectionⅠ : Neural network basics

・ニューロンにおいて構成要素(シナプス、樹状突起、軸索、細胞体)の場所を選択

SectionⅡ : How neural networks are built

・ニューラルネットワークに関する計算問題

・3つの関数(シグモイド関数、階段関数、恒等関数)のグラフを基にした計算問題

SectionⅢ : Advanced neural network techniques

演習問題なし

2-6.Chapter6:Implications

AIの未来について学びます。

SectionⅠ : About predicting the future

・「AI」と検索した結果の画像を見て受ける印象(画像がAIを正確に表しているか等)を述べる

SectionⅡ : The societal implications of AI

・AIに関する記事についての考え(要約、正確度合いや現実性など)を述べる

SectionⅢ : Summary

・AIが将来自分にどう影響する可能性があるかを述べる

3.終わりに

3-1.全体的な難易度

「複雑な数学やプログラミングスキルは必要ない」としつつ、徐々に内容が難しくなっていった印象です。

また、表やグラフを基にした計算問題も多く出題されているため、数学に抵抗がある方には厳しいかもしれません。

実際にChapter5では、「シグモイド関数」「階段関数」「恒等関数」という名前が出てきて焦りました・・・

全体を通して関数の詳細な知識やプログラミングスキルが必要な訳ではないですが、ある程度の知識は必要だと感じました。

3-2.言語の壁

講義は英語(もしくは他言語)ですが、講義の内容を理解しないと解くのが難しい演習問題が多かった気がします。

更に、合計25問の演習問題のうち6問が記述式でした。Chapter1で早速、自分なりにAIを定義するという記述式の演習問題があるため面喰いました・・・

ただ、Google翻訳やDeepLを使用すれば大きな問題ではないのかなと思います。

3-3.オススメな受講方法

個人的にオススメな受講方法はDeepLの拡張機能を使うことです。

これにより、画面上で和訳したい箇所を選択した後に「Ctrl+Shift+Y」押下で翻訳可能です。(ショートカットキーの代わりにDeepLのマーク押下でも可能)

DeepLのGoogleChrome拡張機能はこちらから

3-4.まとめ

今回はElements of AI(基礎編)の演習問題についてまとめてみました。

自分の英語(もしくは他の言語)の解答が他人に読まれるのは恥ずかしいですが、他人の解答を採点するのは良い言語の勉強になりそうです。

とはいえ、日本語で書かれた参考書や動画を視聴するよりも時間や体力が必要だなと感じました。

そのため、無料でAIの基礎を学びたいかつ、英語学習もしたい(もしくは英語に抵抗がない)方にオススメです!

(Elements of AIを学ぶ人たちのコミュニティー(Home | Elements of AI)もありました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。Elements of AIを受講するか迷っている方の一助となれば幸いです!

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