実録!RPA内製化のすすめ(後編)

皆さん、こんにちは。お元気に過ごされていますか?コロナの自粛モードがやや緩和され、テレワークもだんだんと慣れてきた方も多いことでしょう。さらには、秋冬にかけてコロナ拡大の第二のピークがやってくるとされています。今後の働き方の変革を踏まえ、テレワークのメリット・デメリットを見極めつつ、テレワークで作業効率を高めるための工夫を、各々が講じていかなくてはなりませんね。

さて、今日は、以前、紹介しましたRPA内製化の取り組みのその後について、どうなったか、掲載したいと思います。様々な背景から内製化に踏み切ったA社ユーザ部門のIT化推進リーダー役のMさん。ユーザ向けRPA技術者研修の開催を経て、RPA導入推進の効果は得られたのでしょうか?

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RPA技術者研修の2か月後・・・

「RPA開発担当者を紹介したい。」Mさんから久しぶりに連絡がありました。

話を伺ったところ、「…研修により部内のRPAへの理解は深まり、開発環境も整ったが、研修受講者は本業務に追われていて、なかなかRPA開発の時間を捻出できず…。そのため、部門で選任の開発者として1名派遣社員を雇った」とのこと。

内製化の構想そのものは悪くはなかったですが、そもそもの所属部内の作業体力に対する配慮について、検討不十分だったようです。

では、RPA技術者研修が無駄になってしまったか…。

そういうことでもないようです。研修により、受講者であるユーザは「RPAとはどんなものか。」「RPAでどんなことができるか」を理解した結果、「これをRPA化できるのではないか」「この業務はRPA化に適してる」という勘所が、ほんの少しですが、養えたようです。

その結果、業務掘り起こしを、外部コンサルタントに頼ることなく、ユーザ部内で可能となりました。

元々、受講者をRPA開発者とする想定で研修を開催しましたが、RPA開発者はRPA企画者としての役割にシフトすることで、小ぶりではあるもののユーザ部門の要件にフィットしたRPAが順次リリースされていっている状況にあります。

若干の遠回りはあったものの、MさんのRPA内製化は順調に進んだようですね。

A社における内製化の状況

現在、A社においては、10つの部署でRPAの内製化に取り組んでいます。…取り組んだものの、担当者の異動により保守対応が不可能となり、弊社チームに保守引継ぎを行い、断念した部署もあります。

一方で、Mさんの部署のように、内製化が順調に推進できている部署は4つの部署に留まります。…なかなか、上手く内製化を定着させるのは難しいようですね。

内製化が上手くいっている部署の特徴のうち3点を以下に、列挙します。

  • 内製化をトップダウンで推進する圧倒的なリーダーシップを持った、業務掘り起こしの企画者がいること
  • RPA開発に体力を捻出できる専任の開発者がいること
  • 開発のではなく、保守運用も踏まえた内製化のガイドラインを整備していること

「体制」と「ガイドライン」の整備が重要であることが分かります。

ここで「ガイドライン」はどんなもの?という疑問は出てきますが、単純に内製化の「ルール」と捉えていただくのが良いかと思います。例えば、以下のようなものになります。

  • RPAの操作マニュアルやエラーとなった場合の対応について、ドキュメントを作成し、関係者が閲覧できる場所に格納すること
  • 製品のバージョンアップ等の情報については、情報企画部門もしくはベンダーから適切なタイミングで情報を共有してもらうルートを整備すること

我々、エンジニア経験のある者からすると、ごく当たり前のことではあるのですが、内製化においては、ユーザ部にガイドライン策定に関するアドバイスをすることも必要となります。

RPA内製化の行く末~派遣切りの実態~

RPA内製化の行く末はどうなるでしょうか?

上記の重要なポイントを満たしたうえで、お客様内部での開発と保守を上手く運用できれば、内製RPAも外部から調達するより、遥かに安価で手頃なもの、かつ効果的なもの、と認知されると私自身、考えていました。

が、しかし、この後、思わぬ事態に…。

4月に入り、Mさんから再度、連絡がありました。

「派遣で採用したRPA開発者が構築したRPAの保守引継ぎを行いたい。ついては保守費用の見積りをお願いしたい。」という相談でした。…実は、別の部署からも同様の相談を受けていた矢先でした。

1月末から拡大が始まった新型コロナウィルスの感染拡大による影響において、大量の派遣切りの可能性が懸念され、A社においても、少なからず、派遣社員の雇用見直しが行われているものと思われました。

以下は、人材サービスを提供するディップ株式会社のディップ総合研究所が、派遣社員1,000人を対象に2020年3月31日から4月3日にかけて「新型コロナウイルスによる仕事への影響調査」を実施した結果です。

61%の派遣社員はすでに就業に影響が出ていると回答しています。

RPA開発は、派遣会社からの技術者斡旋で体制を維持している企業も多くみられます。人件費の削減を迫られた企業からすると、長期的に育成していく社員の解雇よりも、真っ先に派遣社員を減らすことを考えることになります。RPA技術者についても例外ではありません。

順調であったMさんのRPA内製化は思わぬ形で軌道修正を迫られました。その結果、弊社チームに内製化RPAの引継ぎを行う方向で調整が進むことになります。

新型コロナウィルス収束後の時代

新型コロナウィルス、人類はこの敵と戦っていかなくてはなりません。個人レベルで戦うというのは、生活スタイルを変えること。生活における衛生面だけではなく、仕事のスタイルも変えていく必要があります。そして、仕事のスタイルを変えることで、喪失する雇用は計り知れない数だと推察されます。

今回の自粛モードで急激なスピードでテレワークが導入され、無駄だったものが浮き彫りになっている、という見方もできます。最低限の業務を遂行するための、必須業務や必要最小人数の洗い出しにより、過剰だった資源が明らかに。不要な承認フローや紙資源。はたまた、オフィスそのものの規模についても見直す企業も出てきている実態です。

一方で、RPAやOCR、ワークフローなどのIT技術の役割の重要性について、コロナ収束後、より高まっていくものと推測されます。昨今、RPA市場においては、成熟期に入ったものと評価されることが多いですが、再度、その価値が見直されるタイミングが、また必ずやって来るものと考えます。

構築するのは比較的容易なRPA、但し、一度、人の手の離れ野良ロボとなってしまったRPAにまた息を吹きかけ、運用にまで漕ぎつけるのは、相応の手間がかかります。

それに応対できる最後の砦として、我々RPAコンサルタントの存在があります。どのような状態のRPAでも手当てや保守が出来る、安心な存在として顧客から認識される局面にあり、このコロナ禍においても、継続して、根気強く対処していくことがRPAの有用性をより確固たるものにすると実感しています。

弊社においては、導入コンサルティングやPOC、開発・運用・保守のみならず、内製化支援(RPAエンジニア育成サービス)も行っております。この局面において、お困りの際はどうぞBTCにお気軽に御用命ください。

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