システム間のデータ連携はRPAにお任せ! 弊社の事例から見るRPAの利活用!!
目次
はじめに
現状、基幹システムや業務システムなど、複数のシステムを利用している企業様も多いのではないでしょうか?
その際、異なるシステムに同じようなデータを打ち込む必要があり、効率的ではないものも少なからずあると思います。
このような場合、データ連携をする、または、新しいシステムを入れて統合するなどの方法が考えられますが、費用の面でなかなか踏み出せないケースが弊社のお客様にもいらっしゃいました。
そんなときは、RPAを利用することでコストを抑えつつ、問題を解決することができます!
弊社内でもそのような問題があり、筆者も自社用のデータ連携RPAを構築して解決した事例に携わりましたので、ご紹介します。
弊社導入事例(KING OF TIME×ZAC)
RPA利用背景
弊社では、社員の勤怠管理において勤怠管理システム「KING OF TIME (以下KOT)」を、プロジェクト管理にERP「ZAC」を使用しています。
(参考 KOT :https://www.kingtime.jp/ ZAC:https://www.oro.com/zac/)
KOTは、社員が打刻を行うことで社員の勤怠データ・労働時間の確認、管理が可能となるクラウド型の勤怠管理システムです。
ZACは、各社員の参画プロジェクトごとに工数管理や収支管理等が可能である、プロジェクト型のビジネスに非常に強みを持つクラウド型のERPパッケージです。
以前はこれら2つのシステムそれぞれに対して、以下のような作業を行っていました。
1.社員が勤怠時間を毎日KOTに入力する
2.社員が案件ごとの参画工数を毎日ZACに入力する
3.それぞれのシステムに対し毎月承認申請を行い、管理者が承認する
事前にKOTを導入しており、後からプロジェクト管理のためにZACを導入したのですが、社員はほとんど同一の内容をそれぞれのシステムに入力する必要があり、手間がかかっていました。
また、事前にKOTを導入しており、後からプロジェクト管理のためにZACを導入したのですが、両システムそれぞれに入力を行うため、KOTに記録されている勤務時間とZACに入力されている工数に乖離が発生していることも問題となりました。
そこで弊社ではRPAツール「UiPath」を利活用することで、両システム間で勤怠時刻・勤務時間を連携させ、この定型業務を自動化することを決定しました。
連携ロボットについて
自動化決定後、ロボット作成チームが作られ私も参画することになり、そこでの感想も踏まえ効果や苦労した点をご説明していきます。
まずは苦労した点から!
▼苦労した点
多様な勤務形態(時短勤務・時間単位年休等)・一時的に案件にアサインされていない方など、イレギュラーケースも網羅的に仕分ける必要があったため、その精査・対応に苦労しました。
ロボットの開発に移る前の業務整理・要件定義の部分ですが、ここをしっかり整理しないことには良いロボットはできません!
この要件定義についても弊社としては得意としており、苦労しましたが今までの導入実績や経験を元に弊社の強みが活かされた箇所だと思います。
上述のような苦労もありましたが、ロボットを利用して以下のような工数を削減したフローを実現させました。
[人が行う作業]
1.社員が勤怠時間を毎日KOTに入力する
2.各社員がどの案件に何%の割合で参画しているかについて管理監督者が設定したリスト(キャスティングリスト)を作成する
[ロボットが行う作業]
3.ZACから、社員一覧のリストと、キャスティングリストをCSVファイル形式で取得する
4.KOTから、集約された勤怠データをCSVファイル形式で取得する
5.取得データを元にZAC入力用の工数データを作成し、ZACへ入力をする
[人が行う作業]
6.各社員がロボットの入力結果を確認し、実績との乖離があれば手動で修正する
7.それぞれのシステムに対し毎月承認申請を行い、管理者が承認する
削減効果について
こうして、毎日1.5分ほどかかっていたZACへの工数入力をすべてロボットが行ってくれるようになり、社員は入力内容の確認を月に1度、5分ほど行うだけで済むようになりました。
これにより、どれほどの工数が削減できたのでしょうか。
1人当たりで計算すると、1.5(分)×20(営業日)-5(分)で25分削減されていることになります。
弊社の社員数は約360人なので、 360(人)×25(分) = 9000分 、つまり毎月150時間、年間1800時間の工数削減となりました。
また、社員の増加に比例してこの削減時間数は増えていくため、将来的にはさらなる工数削減を見込むこともできます。
なぜRPAを用いたのか
今回のような課題が発生している場合、課題を解決するために新しいシステムを入れて統合するという方法も存在します。
しかし、今回は既存システムを使用しつつ、課題となっている部分はRPAを導入して解決を図りました。
なぜRPAなのか、その理由を以下にあげたいと思います。
導入コストを抑えることが可能
新しいシステムを入れる場合、環境準備やシステム導入にかなりのコストがかかるという問題点があります。
特に広範囲の情報を集約管理することが可能なERPを導入する場合は、パッケージ型であれば数千万円、クラウド型でも数百万円のコストがかかるというのが一般的です。
RPAツールは多くの種類が存在していますが、基本的には年間100万円前後から導入することが可能です。
また、RPAは様々なシステム間に存在する複数の課題に対してロボットを作ることで対応することが可能である点も強みです。
社員への負担をかけなくて済む
既存のERPを活かしつつRPAツールで課題解決を図る場合は、使用するシステムの変更を避けることができます。
それには金銭コスト面でのメリットもありますが、社員の方々が使い慣れないシステムを使用することで慣れるまでその作業に時間を取られてしまう、導入を主導した部署に問い合わせが殺到し、その対応に多くの時間が割かれてしまう、といった人的コストの増大や、前のシステムの方が良かったなどといったユーザーからの不満も回避することができます。
各システムのいいとこ取りが可能
最近は数多の基幹システムや業務システム、ERPが存在していますが、それぞれ別々の強みを持っています。
今回の事例で言うと、ZAC自体も勤怠管理機能は保持しています。
しかし、KOTは多様な手段による打刻、会社ごとの就業ルールに則った柔軟な勤怠管理、半休や時間単位年休等といった多様な休暇管理が可能であり、その汎用性は非常に高いです。このように導入済みシステムの強みである機能を使用して連携させることで、汎用性、柔軟性、保守性を高めることが可能です。
おわりに
今回挙げた弊社導入事例では、年間約1800時間の作業時間削減を実現することができました。
BTCのRPA事業部は、自社のみならずこれまで約70社のお客様が持っていた課題を、RPAを用いて改善・解決してきました。その多くの実績とノウハウをBTCは持っております。
今回例に挙げた基幹システムや業務システム、ERP周りのみならず、業務時間削減・業務改善等に興味がある企業様、定型業務の業務圧迫でお困りの企業様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度BTCにご相談ください!
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