システム間連携を担うRPA

はじめに

近年は、日本国内でもRPAの導入が進み、日常業務でRPAが定着している企業も増えています。そうした中でRPAを導入した企業でのRPAに対する視点の変化が見られはじめています。以前はRPAの導入(=業務の自動化)自体が目的になっていたのに対し、最近ではRPAの導入効果(=業務の効率化)を重視する方向にシフトしています。

その背景にはRPAを導入して業務を自動化してみたものの、期待していた効果を実感できずにいる会社が少なくないからです。その理由の一つとしては、RPAには適さない業務を自動化したため、思うような効果が得られないケースが少なくないと考えられます。

「参考:RPA導入に適している業務、適していない業務」

そこで今回は、RPAで大きな導入効果を上げている銀行の事例を参考に、成功のヒントを考えていきたいと思います。

銀行の大きな導入効果の事例

日本国内でも早くからRPAを導入し、注目を集めていたのが銀行です。

例えば、三井住友銀行では2017年からRPAの導入に取り組んでおり、現在では700以上の業務で年間110万時間以上の作業をRPAが代替しています。

(参照:https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/cpbook/18/00025/00001/

他のメガバンクや地方銀行などでもRPAは導入されており、銀行の事例は多く公開されているので、いくつか特徴的な導入例をまとめてみました。

業務名 銀行名概要 対象システム
信用情報照会福岡銀行新規融資検討の初期情報として各種システムから信用情報を照会する業務を自動化 勘定系、コスモス情報、法人信用照会、でんさい
収益実績表の作成広島銀行国際勘定系からダウンロードした外貨預金残高情報を加工し、行内システムにアップロード国際勘定系、行内システム
口座開設三菱UFJ銀行Webからの口座開設申込を勘定系システムへ連携する業務Web、勘定系

※1

(https://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/data/rel171201a4.pdf)

※2,3

(https://www.fujitsu.com/jp/documents/about/resources/publications/magazine/backnumber/vol70-3/paper12.pdf)

紹介した事例はどれも複数のシステムからデータを取得する業務という共通点があります。

銀行システムは顧客の情報が、勘定系以外にも情報系、CRM、与信管理、投資信託、保険など多くのシステムに存在しています。

例えば融資業務で顧客の審査を行う場合、それらのシステムの顧客情報をそれぞれ集める処理が必要になります。融資業務で使用される融資稟議支援システムでは勘定系への照会機能を有していますが、銀行内の顧客情報を保有するシステム全てを網羅はしていません。

そのため、担当者が個別に他システムを照会した結果を融資稟議支援システムに転記する作業があります。融資以外でも同様に、複数のシステム間でデータを取得する業務は多く存在するため、そうした業務をRPA化することで効果を出している銀行での事例は多いです。

銀行以外の企業でもシステム間連携の処理を手作業で行っているケースは多いはずです。業務選定の対象として、まずシステムをまたぐデータの処理を行う業務に着目することをおすすめします。

最後に

RPA導入のポイント「システム間連携」について紹介しました。RPAにも向き不向きがあることを知り、より適した業務を自動化することが業務効率化、生産の向上につながります。うまく業務整理、導入を実現できれば膨大な業務時間を削減できることが分かります。RPAをより効率的に活用していくことが今後より生産性、業務効率を向上させるカギとなるでしょう。

もしRPAに関する疑問や業務整理、導入の計画がある場合はぜひ弊社にお問い合わせください。

 

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