会話するだけで作業が完了⁉ ~RPA×チャットボットで業務を自動化する~

 皆さん、こんにちは。 ここ1、2週間で急に厳しさを増した冷え込みに、冬の訪れを感じるようになってきましたね。

 今回のコラムでは、RPAとチャットボットの連携による業務自動化についてご紹介します。 

RPAとチャットボットって?

 RPA×チャットボットについてみていく前に、それぞれが得意とするところについて簡単に触れておきたいと思います

RPA 

 RPAとは、Robotics Process Automationの略です。Excelファイル上のデータをシステムに入力するなど、手順やルールの決まった業務の自動化を得意としています。Robotといっても機械の体は持たず、パソコンの中のバーチャル労働者が、人間の作業を代わってくれるイメージです。

 こちらのコラムをご覧の皆さんは、すでにRPAについてある程度ご存じの方が多いと思いますので、RPAについての説明はこれくらいにとどめておきます。 

チャットボット

 一方でチャットボットは、人間とのコミュニケーションが得意分野です。チャットボットとは、「chat(=会話)」と「bot(=ロボット)」を組み合わせた言葉で、自動的に会話を行うプログラムのことを指します。ユーザーからメッセージを受けとると、ボットがその文章を自然言語処理などを用いて解釈し、回答を決めてメッセージを返してくれます。 

 更に、チャットボットは回答の決め方によってAI型ルールベース型(シナリオ型)の2つに分けられます。 

AI型
予め教え込まれたデータや、会話の中から集めたデータをもとに、ボットが適切な回答を行う。会話を重ねるにつれ、ボットは新しいデータを学習し、回答の精度が高まっていく。Siriに質問すると答えが返ってくるのも、AI型のチャットボットのひとつ。
ルールベース型
ボットはあらかじめ用意されたシナリオに沿って会話を進めていく。そのため、用意したシナリオからはずれた会話や、設定していないルールには対応できない。ボットが対応できる会話を増やしたい場合は、その都度人の手でルール追加が必要。
 

 例えば、「今日の天気は?」と尋ねるとお天気を教えてくれるチャットボットがあった場合、AI型とルールベース型では返答に次のような違いが生まれます。 

  

  AI型チャットボットでは、想定されない言い回しで質問された場合も、文章を解釈して回答することができます。一方で、ルールベース型チャットボットは、シナリオを設定していないため、答えることができません。 

 しかし、AI型チャットボットに会話させるには、大量のデータを用意してボットに教え込む必要があります。そのため、パターンの限られた会話では、ルールベース型の方が気軽に導入できます。また、決まった質問に正確に回答できるという点では、ルールベース型に軍配が上がります。 他にも、各タイプのチャットボットにはそれぞれ以下のようなメリット、デメリットがあります。

  

RPAチャットボットで業務を自動化する 

 さて、ここまででRPAが定型業務の自動化を得意とし、チャットボットが人間との会話を得意とすることが分かりました。これらを組み合わせると、どのようなことができるのでしょうか。 

 RPAとチャットボットの連携(RPAチャットボットとします)が役立つのは「コミュニケーションの後、その内容に基づいた作業が発生する」パターンの業務です いくつか事例を紹介しましょう。

事例① コールセンターの業務を代行

 最近の事例として、セブン銀行の住所変更手続き無人化がUiPath社から公開されています

 

 住所変更手続きには、オペレーターによる対応と、利用者自身がダイレクトバンキングサービスから変更手続きを行う方法の2種類がありました。ダイレクトバンキングサービスを利用した手続きは、IDとパスワードによる本人確認が必要で、氏名や連絡先などで本人確認を行う場合にはテレホンセンターでの対応が必要でした。 

 ここにRPAチャットボット導入し、オペレーターによる対応が不要になることで、IDやパスワードがわからない場合でも、24時間年中無休での手続きが可能となりました。 

 いつでも手続きが行えるという意味では、ダイレクトバンキングサービスを利用した方法と大差ないようにも感じますが、チャットボットと会話をするだけで完了するという点では、より手軽さが増したと言えるでしょう。

事例② 社内問い合わせ、事務手続きの対応

    RPAチャットボットは社内向けにも活躍します。勤怠や、各種申請などについて社内向けの質問窓口としてチャットボットを導入しているケースはありがちなパターンではないでしょうか。ここに更にRPAを組み合わせると、利用者は自分でシステムを操作することなく、チャットボットに必要な情報を伝えるだけで処理を進めることができます。 

 例えば、出張費の申請をしたいとします。滅多に申請を行わない人が、自力で申請作業を行うとなるとどうでしょう。申請方法を管轄部署に問い合わせたり、操作マニュアルを参照したりしながら、必要事項を入力していかなければならず、大変ですよね? 

 しかし、RPAチャットボットを導入すれば、申請方法を教えてくれるだけではなく、チャットボットにお願いするだけで、RPAが申請作業を代わりに行ってくれます。管轄部署の担当者が問い合わせ対応をする手間も、申請者自身がマニュアルとにらめっこしながら作業する手間も、すべて解消されます。 

 社内向けRPAチャットボットの事例は以下の記事でも紹介されています。 

 

 ちなみに、ご紹介した2つの事例のようにチャットボットに応答させたい内容が明確な場合は、ルールベース型のチャットボットが有用です。

まとめ  

 RPAチャットボットでは、窓口をはじめとした対人業務の自動化を図ることができます。新型コロナウイルスの感染拡大が世間を騒がせて久しいですが、対人業務の縮小が実現すれば、その防止にも一役買うのではないでしょうか。 

 RPAチャットボットなど業務の自動化をご検討の際はぜひ、BTCにご相談ください 

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