クラウドでサーバー型のRPAを使ってみよう! ~Azure BackupでVMを復元する際の注意点~

はじめに

近年、クラウドを利用するプロジェクトが増えつつあり、弊社でも「クラウド×RPA」といったソリューションを提供することが多くなってきました。
今回は実際にプロジェクトで利用しているMicrosoftが提供するクラウドであるMicrosoft Azureの機能の一つ、Azure Backupを利用してAzure VM(Azureが提供する仮想マシン)を復元する際に気を付けていることについてまとめてみました。
 

Azure Backupとは

Azure Backupとは、Azureが提供しているバックアップ・リストアサービスです。
バックアップできるデータは、オンプレミスのVMやAzure VM、Azure VM内のSQL Server、ファイルがあります。
バックアップ方式については、初回がフルバックアップで2回目以降は増分バックアップが行われます。
Azure Backupを利用するには、バックアップデータ(スナップショット)を保存するRecovery Services コンテナーを作成します。
そしてRecovery Services コンテナーでは、バックアップのスケジュールとスナップショットの保有期間を設定するバックアップポリシーを定義します。
 
料金体系については以下のリンクをご覧ください。
 
 

Azure Backupを利用する経緯

私が所属するプロジェクトではサーバー型のRPA(BizRobo!スキャンロボ)を導入しており、そのサーバーをAzure VMで構成する形となっていました。
クライアントのバックアップに関する非機能要件については以下でした。
・Azure Backupを利用してバックアップ・リストアを行うこと
日本時間で毎日0時時点のスナップショットを取得すること
・スナップショットの保存期間は60日間
 
Azure Backup の対象となるAzure VMの構成についてご紹介します。
 
次にAzure Backupの構成について簡単に紹介します。
 

Azure BackupでVMを復元する際の注意点

1.復元方法

復元操作に関して、以下の方式があります。
 
稼働しているAzure VMはADEにより暗号化されているため、バックアップする際の復元方法が「ディスクを復元する」のみしか選択できません。
(「既存の置換」、「VMの復元」はサポートされていません…)
そのため、ディスクの復元が完了した後に、復元操作の間に生成されるテンプレートを使用してカスタムデプロイを行っています。
デプロイするVMの設定をカスタマイズして、復元前のVMが存在したリソースグループ、ネットワークに配置する必要がありました。
(ディスクを復元してから元のVMのOSディスクと復元したディスクをスワッピングする方法もありますが、VMを再作成する方式を選択しています。)
 

2.復元後のVMの設定

復元後のVMに復元前のVMの設定を反映する必要があります。
復元前のVMと同じ状態に戻すために必要な作業としては以下の3つとなります。
 
2-1.復元前のVMのNIC(ネットワークインターフェースカード)の接続
利用しているRPAツールのライセンスは物理アドレス(MACアドレス)に紐づいているため、復元前のVMのNICを復元後のVMのNICと取り換えます。
 
2-2.タグの編集
タグはリソースを管理するために必要なものです。
復元後のVMにはタグ情報が設定されていないため、復元前のVMと同じ内容のタグを編集します。
 
2-3.Log Analyticsへの接続
復元後のVMに関して、ログの収集やOSの監視を有効にするためにLog Analyticsへの接続を再度行います。
 

3.不要なリソースの削除

VMを復元した後で、復元前のリソースがそのまま残っているとリソースが存在すること自体で課金がされてしまうため、不要なリソースについては削除する必要があります。
削除対象は、復元前のVMとそれに紐づくディスク、復元前のネットワークインターフェースカードと取り換えた復元後のネットワークインターフェースカードです。 
 
 
 

おわりに

Azure Backupを利用してVMを復元する際に注意すべきポイントについてご紹介しました。
何か障害が起こった場合に備えてバックアップを取得することは多いと思います。
Azure BackupはAzure VMのバックアップをAzure portal上で簡単に設定できるため、便利かつ柔軟な対応ができる機能です。
ただし、バックアップを取得できることだけでは意味がなく、意図したとおりに復旧できるかテストを行うことを推奨します。
また、コストに関する注意点として非機能要件として60日で定められているため、今後VMのディスクに保存するデータが多くなればなるほど高額になっていくことが予想されます。
そのため、定期的にVM内のデータを削除していかなければなりません。
 
弊社では、RPAツールの利用はもちろん、クラウドサービス上にRPAインフラの導入や開発の実績が多数ございます。
本コラムでご紹介していますように、構築時から保守・運用まで見越した最適なソリューションをご提案いたします。
「クラウド×RPA」でRPA導入をご検討の方はぜひ弊社にご相談ください。
 

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