【UiPath AI関連製品】RPA適用業務が増えるかも!?Action Centerの可能性を考える
目次
UIPATHからAI×RPAの新製品が発表
7月29日にUiPath社から各種AIの機能を展開するための新製品群「AI Fabric」、「Action Center」、「Document Understanding」が発表されました。
ニュースリリース:UiPath社、AIとRPAを組み合わせた新製品群でAIの民主化を加速
https://www.uipath.com/ja/newsroom/ai-product-release-2020-07-29
いずれも魅力的な製品ではありますが、本コラムでは個人的に特に興味深いと感じた「Action Center」の機能について紹介いたします。
ACTION CENTERの特徴
Action Centerの特徴は以下となります。
・人間の判断が必要な箇所でロボットの実行を一時停止し、Orchestrator※にタスクを生成
・タスクに対して人が判断や入力を行い、後続の処理を再開
・管理者は任意のユーザーを承認者としてタスクを割振る
・承認者はOrchestratorに接続し、タスクをフォーム(シナリオ作成時に用意する必要あり)を通して判断や入力を行う
・「UiPath Orchestrator Mobile App」をインストールすることでスマートフォンやタブレットでの操作が可能
※UiPathの運用管理サーバー
Action Centerを興味深いと感じた点
上記の特徴があることを知り、Action CenterはこれまでRPAが担ってきた業務をさらに広げる可能性を持っていると感じました。その理由はタスクにたいしスマートフォンやタブレットで操作が可能であるためです。
Action Centerを一言で言うと、「ロボット実行を一時停止して、人の判断を仰ぐ機能」と表現できると思います。
これにより、
・人による確認作業を挟むために複数シナリオに分割せざるを得なかった業務を一つのシナリオで実装
・例外処理としてスキップしていたケースも処理対象とすることができ、人の手による作業負荷を低減
といった、これまでRPAを適用するにあたり回避の難しかった内容をシナリオの中に組み込むことができるようになります。
ここまでだと既存のロボットが担っていた作業範囲の延長 (それでも十分な効率化ではあります)ですが、スマートフォンやタブレットでの操作が可能であることで、これまでは適用外となっていた業務を自動化できる可能性も出てくるのではないかと考えています。
ACTION CENTERを使ってみる
Action Centerを組み込んで、CSVファイルから請求書に内容を転記する簡単なシナリオを作成してみます。
なお、以下の説明ではAction Centerを使用する箇所を説明し、CSV読み込み、請求書転記(Excel書込み)については詳細な説明は割愛いたします。
◆テンプレートから新規作成の「オーケストレーションプロセス」を選択
通常と同様にフローチャートが表示されるので、CSVファイルの読込み処理を追加します。
◆「フォームタスクを作成」アクティビティを追加
次に、Orchestratorでタスクの承認者が操作するためのフォームを作成するため、「フォームタスクを作成」アクティビティを追加します。
①タスクに表示したいタイトルを“タスクタイトル”に入力します。
②“フォームデータ”のコレクションに転記データの項目を追加し、”フォームデザイナーを開く”をクリックします。
変更したい項目にカーソルを合わせ、”Edit”をクリックします。
テキストフィールドComponentが開かれます。今回は表示名を変更するので、”ラベル”に表示名を入力します。また、値を編集したい項目については”無効”のチェックを外します。
③“タスクオブジェクト(出力)”には、タスクのステータスを判定するためのFormTaskData型の変数を設定します。
◆「フォーム タスク完了まで待機し再開」アクティビティを追加
フォーム作成ができたので、次に「フォーム タスク完了まで待機し再開」アクティビティを追加します。
“タスクオブジェクト(入力)”には先ほど「フォームタスクを作成」アクティビティで設定したタスクオブジェクトを指定します。
これでAction Centerを使用する箇所を作成できたので、後続処理に請求書への転記作業を追加してシナリオの作成は完了です。
◆実行確認
それでは実行します。
ロボットを実行すると実行は途中で停止し、タスクがOrchestratorのACTIONSに登録されます。
管理者はADMINISTERから承認者に割振りを行います。
MY ACTIONSにPENDING状態のタスクが登録されます。
フォーム画面を開くと以下のようになっています。
前述のとおりスマートフォンやタブレットからも操作可能です。
タスクの日付を”2020/8/5”に変更して承認すると、後続の処理が実行され、正常に請求書が作成されました。
変更した日付も反映されたことが確認できます。
ACTION CENTERの適用業務例
Action Centerを使用する例を、顧客から受領した発注書をシステムに登録する業務で考えてみたいと思います。
特に条件が無ければ普通にRPAが適用される業務ですが、加えて以下を想定します。
- 受領した発注書は担当者が内容を精査する
- 受注管理システムへの登録は発注書を受領した当日中に行う
- 担当者は日中移動していることも多くPCを操作できない時間がある
これらの条件により、担当者が日中移動していることで発注書の内容精査を業務時間中に行えず、当日中に受注管理システムにデータを登録するのは難しくなります。
Action Centerを使用することで、上記の想定でも外出先からスマートフォンやタブレットで発注書の内容を精査することが可能となります。
これにより、受領書を受け取った日に受注管理システムへデータを登録することができるようになります。
上述したケースは例示するために一般的でない条件を想定しましたが、これまではRPAの適用が難しかった業務についてもAction Centerにより自動化できる可能性の一端を感じていただけたと思います。
終わりに
今回は7月29日にUiPath社から発表された「Action Center」についてご紹介しました。少しでも興味をお持ちいただくことができ、業務効率化の一助になれましたら幸いです。
今回ご紹介できなかった「AI Fabric」、「Document Understanding」についても弊社ではお取り扱いしておりますので、詳しく知りたい方はこちらからお問い合わせください。
また、今回ご紹介したAction Centerを含むAI×RPAに関するUiPath社によるカンファレンスが8月18日〜8月28日の期間にオンラインで開催されていました。
講演は9月末まで配信されています。
https://www.uipath.com/ja/events/uipath-ai-expo-2.0
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