DX(デジタルトランスフォーメーション)とRPA

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    DX RPA
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    2019/09/12

近年デジタルトランスフォーメーション(以下DX)という言葉が話題となり、IT業界に限らず、様々な業界の企業が取り組みを行っています。

しかし、その言葉の定義はまだまだ概念的で、難しい印象を持たれている方も多いのではないでしょうか?

今回は「DXとは何か?」という素朴な疑問から、その中でのRPAの役割は何なのかを考えていきたいと思います。

DXとは?

「デジタルトランスフォーメーション」は、2004年にウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念です。その定義には様々なものがありますが、経済産業省によるDXレポートの中では以下のように定義されています。

“企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること”

つまり、DXを進めるうえで行わなければならないことは以下の2点だと言えます。

  • 内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革
  • IT技術を利用した顧客体験の変革

DXの定義の中でのRPAの役割は、「内部エコシステムの変革」に貢献することだと考えられます。

DXによる効果

では、企業としてのDXを行うことのメリットとは一体何でしょうか。

【図解】コレ一枚でわかるDXによってもたらされる2つの力」の中で、DXによってビジネスは2つの価値を手に入れるとしています。

  • 不確実性が増大し、スピードが加速するビジネス環境に対応するために、製品やサービスをジャスト・イン・タイムで現場に提供できる「即応力」
  • これまでの常識や価値基準を劇的に転換し、圧倒的な競争優位を手に入れるために、生産性・価格・期間などの常識を覆す「破壊力」

上記サイトではさらに、「即応力」と「破壊力」について、以下のように述べています。

“「即応力」を手に入れるためには、ビジネスに関わる事実をリアルタイムでデータとして捉え、それを「見える化」し、迅速な意志決定ができなくてはならない。そして、必要であれば直ちに業務プロセスを実現している情報システムを手直しし、あるいは機器を制御し、対処できなくてはならない。このようにして、ビジネスの最前線で必要とされるサービスをジャスト・インタイムで提供できる仕組みを持つことができる。
「破壊力」を手に入れるためには、ビジネスの価値基準を転換することができなくてはならない。「価値基準を転換する」とは、いままでの常識を、新しい常識に上書きし、人々の心に植え付けてしまうことだ。”

「即応力」とはすなわち、業務プロセスの自動化であり、RPAの活躍が見込まれるところです。

もちろんRPAだけで達成できるものではありませんが、既存の業務プロセスを変革させる第一歩としてRPAは有用だと考えられます。

DXの進め方(3つのフェーズ)

それでは、どのようにDXを進めていけば良いのでしょうか。

【図解】コレ一枚でわかるデジタル・トランスフォーメーションと3つのフェーズ」では、DXには3つのフェーズがあると紹介しています。

第1フェーズ:IT利用による業務プロセスの強化
 このフェーズでは、紙や伝票の受け渡しや伝言で成り立っていた仕事の流れを情報システムに置き換えることで、業務プロセスの標準化と効率化を現場に徹底させます。

第2フェーズ:ITによる業務の置き換え
 このフェーズでは、第1フェーズで徹底した業務プロセスをITを利用して自動化させます。

第3フェーズ:業務がITへ、ITが業務へとシームレスに変換される状態
 このフェーズでは、すべての業務プロセスをデジタル化してデータを収集し、そのデータを解析することによって今時点での最適解を導き出して業務プロセスをアップデートするというサイクルを生み出し、ITと業務の現場が常に最適な状態を維持します。

 

RPAでの業務の自動化は第2フェーズであると考えられますが、その導入過程で業務プロセスの見直しを行う中で、第1フェーズにも影響を与えます。
OCRとRPAを組み合わせることによって、紙や伝票の受け渡しで行っていた業務を自動化するという事例は、第1フェーズと第2フェーズを一気に行っている例ですね。

RPAで業務プロセスを自動化することで到達できるのは第2フェーズまで。RPAはDXの足掛かりとしての役割はありますが、「RPAを導入したからDXだ」というのは間違った考え方だと言えます。RPAを導入した後を見据えることが重要です。

DXという枠組みの中でのRPAの役割

これまでDXとRPAについて考えてきました。

RPAの導入はDXを進める第一歩として有意義なのではないでしょうか。

RPA導入を支援する我々としても、単なる「自動化」で留まるのではなく、RPAを通じた「変革」に貢献するためにどうすれば良いか、今後も考えていきたいと思います。

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