5つのRPAツールでメジャーなパッケージソフトを操作してみた:「弥生会計」編

はじめに

さて皆さん、RPA開発ではどのRPAツールを使っていますか(or使う予定ですか)?
RPAが普及している今では、たくさんのRPAツールが存在しますが、その中でどのRPAツールを採用するかは悩ましいところだと思います。
ツール選定の要素としては予算・規模・体制など様々な要素がありますが、開発者の観点ではシステムとRPAツールの相性という問題があります。RPA化の対象のシステムのUIが、RPAツールによっては操作できない(オブジェクトを取得できない)と、画像認識を使った実装をすることになり、処理の精度や生産性に悪影響を及ぼすことになりがちです。

というわけで、コラムの企画として実際に一つのシステムを各種RPAツールでそれぞれロボットを作成することで、RPAツールによるシステムとの相性を比較してみました。
操作するシステムはメジャーな会計パッケージソフトの弥生会計19(無料体験版)を対象とし、下記の5種類のRPAツールを使ってロボットを作成しました。

  • Automation Anywhere
  • BizRobo!
  • Blue Prism
  • UiPath
  • WinActor

この5つは多くのRPA開発で利用されているポピュラーなRPAツールなので、馴染みがあると思います。

弥生会計を動かしてみる

今回は弥生会計の「かんたん取引入力」という機能を自動化してみます。

自動化する業務の手順は下記の流れになります。

【手順1】弥生会計19を起動

ライセンス認証画面が表示されますが、体験版のまま利用するので、ライセンス認証しないまま進めます。

【手順2】「かんたん取引入力」を選択

【手順3】項目入力項目と「登録」ボタンを押下

【手順4】登録を確定

 

作ってみた結果

以上の手順をBTCのRPA開発メンバー5人が1人1つのRPAツールを担当して実装してみました。その結果が下記の表になります。

オブジェクトの取得結果を見てみますと、どのツールも弥生会計のオブジェクトは操作できています。BizRobo!はDevice Automation機能を使用したのですが、弥生会計の画面左側のフォルダツリーが認識されなかったので、ショートカット機能を使用しました。

処理時間は開発PCでのデバック実行の際の処理時間を1件平均にした数値なので厳密なものではありませんが、Blue Prismだけ異常に時間がかかっています。これは今回はUIAモードで実装したので処理が遅くなっています。AAモードで実装すれば約5分の1の処理時間になる見込みです。

実装時間については、メンバーごとに担当ツールの習熟度がばらばらのため、あくまで参考値になります。(WinActorはRPA未経験の新卒社員に作ってもらって1時間なので、驚異的な作りやすさと言えますが・・・)

結論

「弥生会計19」はどのRPAツールでも実装可能で相性問題も特になし。

BizRobo!では一部取得できないオブジェクトもありましたが、別の手段で実装できるので相性問題はなしと判断できます。

参考

最後に、各ツールで実装したワークフローを載せておきます。

Automation Anywhere

Blue Prism

BizRobo!

UiPath

WinActor

 

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