UiPath Goを利用してRPA×AIを試してみた

こんにちは。RPA×AIについて試してみましたので、導入、検証、活用例の検討をご紹介いたします。
さて、様々な作業をルールに基づいて自動化するRPAと、人間の知的ふるまいをプログラムで再現するAI。
その2つを連携させることで、さらなる業務効率化を実現することが期待されています。
今回は、RPAツールの一つであるUiPathと、GoogleAPI連携によってRPA×AIを試行した例をご紹介します。

また、RPA×AIを試行するにあたって、UiPathが公開しているマーケットプレイス「UiPath Go」を利用したので、そちらも併せてご紹介します。

 

今回の概要

1. UiPath Goとは…?

UiPath Goとは、UiPath社が公開しているマーケットプレイスです。世界中のユーザーが開発したプログラムをダウンロードすることで、UiPathを用いたRPA開発の拡張性を高めることができます。

UiPathに標準で用意されていない機能であったり、特定のクラウドサービスの操作に特化したものが豊富にそろっており、今回試してみたAI連携のアクティビティも、このUiPathGoから簡単にダウンロードすることができます。

 

2. RPA×AI アクティビティの導入

今回利用したのはAlex Vasileさんが公開している「Voice enabled RPA - AI」というカスタムアクティビティです。
 
このカスタムアクティビティには、以下の2種類のアクティビティが含まれています。

  •   ・Google Speech To Text(音声⇒テキスト)
  •   ・Google Text To Speech(テキスト⇒音声)
  •  

今回は、RPAとの連携を考えたときにニーズが多いと思われる“音声⇒テキスト”の機能を使ってみます。


なお、このアクティビティでは、GoogleのAPI(Cloud Speech-to-Text)を呼び出す仕組みになっているので、事前にGoogle Cloud Platform(GCP)のアカウントを開設し、該当のAPIを利用する為の準備及びAPIキーの用意をしておく必要があります。GCPでの手順についてこちらの記事では割愛させていただきます。

 

さっそく使ってみた

1. アクティビティの配置~パラメータ設定

では、さっそく使っていきましょう。
ちなみに、Google Speech To Textのパラメータは以下の通りとなっています。

【Input】

  •   ・Confidence…信頼性。0~1.0の間で指定可能。
  •   ・Language…入力言語。約120 の言語と方言を認識可能。
  •   ・Service Account File…GCPのサービスアカウントキーを指定する。

 

【Output】

  •   ・Text…音声認識結果が出力される

 

2. 音声認識結果

では、実際にProjectを作成し、Speech To Textを利用してみました。Projectを実行すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

“Start”押下後に、マイクに向かって“こんにちは”と喋ってみた後に”Stop”をクリックすると…

見事、正確に認識されました!さらに、もう少し長い固有名詞でもチャレンジしたところ…

こちらも一回で正確に認識しました。(個人的には“アンド”を“&”と認識できているところに感動…)
その後もいくつかの単語で検証を行いましたが、単語レベルであれば、一度でほぼ正確に認識できることがわかりました。

 

実業務における活用例

今回、UiPath Goを利用して、RPA×AIのアクティビティを利用してみましたが、機能の導入自体かなり容易であり、かつ十分な精度の結果を得ることができました。このようにRPA×AIを利用するための環境づくりのハードルは下がっており、アイデア次第ですぐに実用的なロボットが構築可能であることがわかりました。

では最後に、今回使ってみた音声認識を実際のRPAシナリオに活用した場合の例をいくつか考えてみました。

 
<コールセンター系業務での活用例>


おそらく、音声認識×RPAで一番ニーズが多いと思われるコールセンター系業務での活用例を考えてみました。問い合わせ対応の自働化は、内容によってはかなり難易度が高いと思われますが、例えば飲食店の予約受付のような業務であれば、音声認識後に単語を抽出して予約内容を推測。内容をオペレータが最終チェックしてから後続処理(お客様に予約完了メールを送信、お店に予約情報送付、予約管理システムへの入力など)を行うことで、オペレータの作業効率を向上させることが期待できます。

 
<営業活動における活用例>


次に、企業の営業担当の業務効率化を考えてみます。例えば、顧客との商談後に商談結果をスマホやPCで入力するのではなく、歩きながらスマホに向かって商談内容を話すことで、その内容をロボットがCRMに登録し、さらにそれをレポート化して営業チームに共有。または顧客に対してお礼メールを送るなど、商談後に必要となる業務をロボットが代行することができます。このようにロボットへのインプットとして音声を利用すれば、移動しながら業務を行うことができ、限られた時間の中で、より付加価値の高い業務に専念することができます。

 

最後に

今回はUiPath Goを利用したRPA×AIの導入、検証、そして活用例のご紹介をしましたが、今後さらにRPA×AIの連携が注目され、さまざまな企業で導入検討も進んでいくことが想像されます。弊社でも引き続き、このような先端技術のキャッチアップに注力し、これからもお客様のビジネスを加速させるお手伝いをさせていただきたいと思います。

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