小粒な業務をRPA+αで自動化する未来!

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    2019/02/08

世界水準に見劣りする労働生産性改善、なかなか進まない働き方変革、待ったなしの労働人口減少対策。日本が経済大国としての地位を維持していく為に解決すべき課題が山積する中で、2019年4月から働き方改革関連法が施行され、それに伴う課題の改善が日本では急務とされています。

この解答としてRPAは大いに期待されている一方で、導入効果や今後の展望に対しては様々な意見があり、見解が分かれている状況です。本コラムでは、RPA活用を推進していく際に障壁となる課題や、それに対する解決策をピックアップしご紹介いたします。

 

RPA活用の課題

 

  1. ロングテールの業務自動化について

RPAの適用領域は、下記の業務のロングテールでしばしば説明されます。

マスメディアで金融機関を中心にRPAで大きな効果が出ていると報告されているのは、RPA化に適した領域の内の左端です。

業務「数」が少なくても業務「量」が多いもの(左側)は、システム開発による自動化がなされていることが多く、ERPをはじめとした基幹システムの導入やSIによる大規模システム開発によって業務効率化を実現します。

一方で、業務「量」は少ないが業務「数」が多い小粒な業務(右側:ロングテール領域)は、積もり積もっていくと生産性を低下させる要因になりますが、費用対効果の面からシステム開発などによる自動化は難しく、手作業による対応を余儀なくされているのが現状です。

このロングテール領域は「費用対効果」、または、「柔軟に工数をかけず」というRPAの強みが最も効果を発揮する領域ですが、導入実績としてはその中でも比較的左側に近い定型化・ルール化された作業がメインになります。右に行けば行くほど、定型作業として括りだすことが難しくなり、現状ではRPA化の対象外と考えられているのが実情です。オフィスを見回してみると、私たちの業務は長い目で見れば類似の作業の繰り返しであっても、それをRPA化できるほど単純ではありません。

このように一見単純に見える作業であっても、作業者の熟練した経験や意思決定プロセスが肝になるような作業(ロングテールの右側部分)はRPA活用を推進する上で課題となっています。

では、こうした業務に対してどのように対処していくべきでしょうか。キーワードは、「RPA+α」です。本題に入る前に、RPAのロードマップから現状を把握してみたいと思います。

 

  1. Class2での改善の限界

下図は頻繁に出て来るRPAのロードマップです。

現状、多くの企業が行っているRPA導入は「Class1」に当てはまります。

ビッグデータによる推論などをシステムに任せ、RPAと組み合わせる「Class2」は一部の先進的な企業などは導入していると言えるでしょう。

「Class3」については、一部の高度なスキルや知見を持った人をAIに置き換えて、決まりきったことしかできないRPAの補完をするという考えであり、このステージはまだ実現は難しいと言えます。

 

RPA課題への1つの答え

 

  1. ロングテールをどの様に解決するか?

ロングテール領域における自動化の難しさは、定型として切り出せる業務の粒が小さく、RPAのライセンスや開発工数を考慮すると投資対効果がマイナスになってしまう事です。ただ、一粒が小さい反面、数が多いという特徴もあるため「粒の大きさ×数」で業務量を判断すれば右端も大きな効果が期待できます。

では「粒の大きさ×数」をRPA化に結ぶ付けるためには何をすれば良いでしょうか。

 

  1. Personal Assistant

数多く、粒の小さな業務も、人間のアシスタントであればこなします。アシスタントはその名の通り「助ける人」で、「高度なスキル」も「高度な知見」も必要ありません。アシスタントをIT(RPA×AI)で実現すれば、働く人全てにPersonal Assistantを付ける事ができ、ロングテールの右端を解決し、「労働生産性」「働き方変革」「労働人口減少」への改善が期待できます。

それでは具体的なシーンを考えてみましょう。

 

【メール処理】

朝PCを開くと、多くのメールが届いています。アシスタントは、これを分類し主(あるじ)に示してくれます。

例えば、以下のような仕分けができると助かります。

・会議出席依頼:前後のスケジュールを元にリコメンド

・要回答(急ぎ):処理の内容を指定すればアシスタントが処理(例えば関係者に問合せをして、それを回答する場合、その旨をアシスタントに伝えるとToDoリストに追加)

・要回答(余裕あり):直近のToDoリスト作業が完了したらリコメンド

・CC:主の手が空いた頃を見計らって表示。指示すると返信等を行う。

具体的には、メールの中に出張の依頼があった場合、アシスタントから「出張の依頼があります」とメッセージが来るので、期間と出張先をアシスタントに伝えるとスケジュールへの登録、飛行機のチケット手配、宿の手配、出張申請を行ってくれます。

出張から帰ると精算に必要な情報を求め精算処理をしてくれます。また、会議の議事メモを取ると、スケジュールの出席者に自動的に議事メモをメールで送ってくれます。

 

  1. もう1つのClass2

「非常に高度」な事にAIを使う代わりに、アシスタントが受ける指示を分解してRPAが処理できるレベルにBreakDownする部分にAIを使えば、ロングテールの右端にも有効なもう1つのClass2が実現できるはずです。ではどの様に実現するのでしょうか。

アシスタントとあたかも一人(1台?)の様に表現していましたが、実は下記の2つの仕組みで成り立っています。

・タスク実行ロボット

・コーディネータロボット

前者は、メール処理、スケジュール処理、チケット手配等の粒度の大きな指示を実行するAI+RPAです。メールのAgent、スケジュールのAgent、出張のAgentと言ったものです。後者は、主との会話を元に必要なタスクを決定して、タスク実行ロボットに指示するAI+RPAです。前者と後者は学習する内容が全く異なりますから、分けて学習させる事で学習が容易になります。

 

  1. 対象業務の選定について考察

Personal Assistantとなる対象業務は多岐にわたり、探そうと思えばいくらでもあると思いますが、どのように選定し、またAIとして利用する際のデータを蓄積いけばよいのでしょうか。

まずは、従業員の全作業を対象業務候補として選定すること。作業の洗い出しと対象業務の選定には、ある程度の時間をかけて入念な検討を行う必要があります。

 

その課題の一つとして、現在、面白い記事がありました。

MeeCapとは、簡単にご説明すると、「PCの操作内容を可視化し、日常業務におけるPC操作内容をデータとして収集・可視化する」ソフトウェアのようです。

作業内容などを記録するため、そのデータを分析し、AI活用時のデータとしても利用できそうであり、Personal Assistantとする業務の選定やAIデータの蓄積にうまく利用できそうだと感じました。

機会があれば、今後、こちらのソフトウェアも何ができるか深く調査していきたいと思います。

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