エンタープライズアーキテクチャ(EA)とRPA
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UPDATE
2020/12/14
はじめに
皆様、こんにちは。
突然ですが、「エンタープライズアーキテクチャ」というものをご存じでしょうか?
エンタープライズアーキテクチャ(以下、EA)とは、組織の業務手順、システムなどの標準化や全体最適化を進め、効率良い組織を生み出すための設計手法のことです。
つまり、業務の全体最適化することに加え、情報を一元管理して業務状況を可視化、分析することで経営スピードを高め、顧客ニーズや技術などの変化に素早く対応するということです。
今回のコラムでは、普段RPAという部分最適の技術を普段扱っている我々の立場から、全体最適の考え方であるEAについて考察してみたいと思います。
なぜ、今EAなのか?
EAについて知っている方は、「どうして今更EAなのか」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
EAは、一昔前に話題となって導入する企業が増えたのですが、EAの要となるERPの導入コストが高かったことやERPだけではビジネスの急速な変化に対応できなかったこと等の理由から下火になっていきました。
しかし、昨今の新型コロナウイルスによる社会情勢の変化を経験したことにより、企業側が変化に柔軟に対応することが求められ、素早い経営が必要となっていることや、それに伴いDXが話題となっていることから、その土台として組織の全体最適を行うEAが再び注目を集め始めています。
また、人事システムや会計システムに特化したクラウド型のシステムの登場によって、EAの形がERPで一括管理するという形から、複数のサービスを組み合わせることで実現するような形に移り変わり、導入コストやビジネスの変化への対応に関する懸念が低減されたことも再び注目を集めている要因となっています。
EAにおけるRPAの役割とは?
EAについての紹介はこれくらいにして、EAという全体最適の設計における、RPAという部分最適の技術がどのような役割を果たすことができるのかを考察していきたいと思います。
まず、EAは「業務体系」「データ体系」「システム体系」「技術体系」の4つの層に分かれており、RPAは「システム体系」の技術になります。
さらに、システム体系はSoE、SoR、SoIという3種類のシステムに分けることができます。
これらのシステムがデータを連携しながらサービスや業務をサポートしているわけですが、RPAはそのデータ連携をサポートするためのツールだと考えることができます。
前述の通り、近年、人事システムや会計システムに特化したクラウド型のシステムが登場し、部分的にそういったシステムを導入してビジネスの変化に柔軟に対応しようとする企業が増えてきており、結果として複数システムが乱立していることが多々あります。
それらのシステムをつなぐためのプラットフォームとして、業務が円滑に回るようにするという役割がRPAにはあると考えています。
RPA導入はEAに効果があるのか?
RPAを導入することはEAにどのような効果をもたらすのでしょうか。
まず、RPAの導入を行う際には、ビジネスプロセスに人の判断が必要ないことや標準化されたデータ体系があることが重要です。
そのような意味で、EAの業務体系やデータ体系がRPA導入の土台となると考えることができます。
しかし、実際に我々がRPA導入を行う現場では、人によってやり方が違ったり、過去の経験を頼りに業務を行っていたりなど、業務の標準化がされてないことが多々あります。
そのような場合は、業務を担当している方にヒアリングを行い、業務を整理してから、どの範囲を自動化するのかといった議論を進めていきます。
例えば、「システムに登録されているデータが正しいかどうかを確認するロボット」というものを考えてみましょう。
この作業について業務担当者にヒアリングをしてみると、人によって参照するWebサイトやシステムが異なっていたり、そこでヒットしたデータと大体一致していればOKという判断をしていることが多々あります。
そうなると、RPAによる自動化は難しくなります。
参照先のサイトやシステムを固定したり、データが正しいかを判断するロジックを構築する必要が出てきます。
場合によっては、データを取ってくるところまでロボットで行い、データが正しいかどうかの判断は人の目で行うというように、自動化の範囲を見直すこともあります。
こうして一つ一つの業務の標準化を行っていくことは、規模としては小さいもののEAの構築に一定の効果がありますし、日々の業務を見直す一つのきっかけになると思います。
スモールスタートで導入されることが多いRPAですが、その導入規模は年々大きくなっています。EAのような全体最適の構造を見据えたRPAの導入が、今後は必要になってくるのではないでしょうか。
おわりに
今回のコラムでは、RPAベンダーとしての視点からEAについて考えてみました。
いかがでしたでしょうか?
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RPAの導入をご検討の際にはぜひ、BTCにご相談ください。
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