RPA実行環境のMicrosoft製品マイグレーションは進んでいますか?

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    2020/04/10

■はじめに

RPAは様々なシステム・アプリケーション間で連携しながら作業を行えることがメリットです。
ですが、その裏返しで関係するシステム・アプリケーションが更新されると、RPAは本来の動作をしなくなる可能性があります。
今回は、2020年01月14日にサポートを終了したWindows7からWindows10への移行についてと、
2020年10月にサポート終了を控えるOffice2010の移行について取り上げます。

本記事ではシェアの多いUiPathでの例をご紹介します。

 

■Windowsの移行

Windows7のサポート終了に伴い、昨年から今年にかけて、ほとんどの企業がWindows10へと移行を進められたかと思います。
RPA製品が稼働するOSが、Windows7からWindows10への移行に伴い、
OSの動作が変更される、アプリケーションの表示形式(UI)が変更されるなど、ロボットの改修が必要になる場合が存在します。

 

  • UIが変更されるパターン
    画面デザインや標準フォントが変更されているので、画像認識を利用している場合、ロボットの改修が必要になる場合が存在します。
    実際に技術支援した経験から、画像認識を使用していないケースにおいては、Windows7からWindows10への移行に伴うUIの変更によるロボットへの影響は少なかったです
 

RPA製品によっては、Windows10とWindows7で対応している製品バージョンが異なる場合があります。

その場合、RPA製品のバージョンアップが必要になります。

 

■Officeの移行

特に、Excelを使用した作業は、RPA化される業務の中で最も多いのではないでしょうか。
したがって、Excelのバージョンを更新すると、改修が必要になるロボットの範囲は広範囲に及ぶ可能性があります。

 

技術支援を行ったある企業では、Office2010からOffice2016への移行を行いました。
その際に対応したいくつかの点をご紹介します。

 

  1. UIの操作を実施する場合
    Officeのバージョンアップに伴い、各種メニューやリボン、タブなどの配置などが変わっている個所が存在します。
    RAPがその個所を操作している場合、変更に対応する必要が発生します。

  2. タイトルバーの表示
    タイトルバーの表示が変わっています。
    "Microsoft Excel"から、"Excel"へ変わっただけのように見えますが、
    例えばUiPathのUi Explorerでセレクタを取得すると、"title"属性のファイル名とExcelの順番も変わっています。
    今後またこの順番が変わらないとも限らないので、以下のように対応しました。

    1. title='*Test01*'

    (2010/2016それぞれのセレクタを確認すると以下の通りです。)
    [Excel2010]
    1. <wnd app='excel.exe' cls='XLMAIN' title='Microsoft Excel - Test01' />
    2. <wnd cls='MsoWorkPane' title='Ribbon' />
    3. <wnd aaname='Ribbon' cls='NetUIHWND' />

    [Excel2016]
    1. <wnd app='excel.exe' cls='XLMAIN' title='Test01 - Excel' />
    2. <wnd cls='MsoWorkPane' title='Ribbon' />
    3. <wnd aaname='Ribbon' cls='NetUIHWND' />

    ※"Test01"はファイル名

  3. Excel起動時に表示されるスタート画面
    Office2013から、Word、Excel、PowerPointなど起動時にスタート画面が表示されるようになっています。
    Office2010からそれ以降のバージョンへ入れ替えを行った場合、Excelを新規で開いて、UI操作を実施するロボットに関しては、対応が必要です。
    対応方針としては大きく二つ考えられます。

    (1). スタート画面が開かないようにする(システム側の設定)
    (2). スタート画面を操作する改修を追加する

    (1)の方法は、実行環境のセットアップ時の設定で対応してしまう方法です。
    メリットは、初期セットアップのみで対応できる点と、ロボットの改修が不要な点。
    デメリットは、ユーザーローカル環境で起動するようなロボットの場合、全ユーザーに初期セットアップの徹底が必要になる点です。

    (2)の方法は、ロボットに改修を加える方法です。
    メリットは、ユーザーに追加の環境セットアップが不要な点であり、
    デメリットは、ロボットの改修が必要になる点がデメリットです。

※RPA製品の特徴、仕様によって、本記事の記述の内容通りに移行ができないことがある可能性がございます。

 

■終わりに

一部の企業では、Microsoftが有償ではありますが、2023年1月までサポートを延長しています。 こちらを利用して、まだWindows7を利用している企業もあるかもしれませんね。
statcounterというサイトによると、2020年2月時点でのWindows バージョンのシェアは、Windows10が78%、Windows7は14%と、まだまだWindows7を利用しているユーザーがいるようです。
皆様のRPA実行環境は既にWindows10へ移行されましたでしょうか?

今回の記事ではUiPathのみを取り上げましたが、我々BTCでは様々なRPA製品の取り扱い経験がございます。
さらに詳しい点が知りたい方は問い合わせフォームをご利用ください。

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