kintone×BizRobo! ~REST APIによる効率化~
目次
1.はじめに
このコラムでは、BizRobo!ユーザーに向けてExcelファイル内のデータをkintoneに連携する方法をご紹介します。
既にBizRobo!やその他RPAツールを使用している方はご経験があるかもしれませんが、対象フォームに値を入力するステップを一つ一つ作成していくのって面倒ですよね。それが何十項目もあるとすればなおさら...
本稿では、そのような面倒な手順を省きつつ、手作業をそのまま自動化する従来の実装方法に比べて、より処理速度の向上や負荷軽減を見込めるREST APIによる実装方法をご説明いたしますので、今後のロボット作成の一助になれますと幸いです。
BizRobo!もkintoneもよく分からないけどRPAは気になっているという方々におかれましても、最初に両ツールの説明から始めますのでぜひご一読ください!
2.使用ツールの説明
kintoneとは?
「業務のシステム化や効率化を実現するアプリが「シュシュっと」つくれるノーコードツール」
キントーンはプログラミングの知識がなくてもノーコードで、業務のシステム化や効率化を実現するアプリがつくれるクラウドサービスです。
表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステム開発をするよりスピーディー&低コストに、思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特長です。
ノーコードツールとは?:ノーコードツールとは - サイボウズ (cybozu.co.jp)
<過去のコラムでのkintoneの紹介はこちら>
kintoneによる業務効率化(初級編):https://rpa.bigtreetc.com/column/kintone_work_efficiency/
kintone×トヨクモサービスとの連携:https://rpa.bigtreetc.com/column/bustreamlining_toyokumotools_and_kintone/
参考:kintone(キントーン)とは - サイボウズ公式 (cybozu.co.jp) より抜粋
BizRobo!とは?
「ローコードで視覚的にロボットの開発ができるRPAツール」
BizRobo!では、ステップをつなげていくことで業務の自動化ができるため、複雑なコードを書かずに開発ができます。
「低コストで無制限にスケールできる」ことが強みで、開発・実行環境のオールインワン提供、ロボットとユーザーの一元管理機能、導入後のサポートなど、ユーザーに寄り添ったサービスが特徴です。
<これまでのBizRobo!関連の紹介はこちら>
導入検討~効率化事例:https://rpa.bigtreetc.com/?s=BizRobo
参考:BizRobo!とは | 継続率99%のRPAツールBizRobo! より抜粋
3.kintoneアプリのレコードを更新するRPAをBizRoboで作ってみた
kintoneアプリを作成したのち、BizRobo!を用いてRPAのフローを作成していきます。
まずはこれら二つのサービスを連携させる方法について確認しましょう。
BizRobo!とkintoneを連携する方法
下記2種類の連携方法を比較いたします。
今回は一例として、kintoneで会員情報アプリを作成し、それぞれの連携方法による長所と短所を紹介していければと思います。
1.RPAで画面操作によるkintoneレコード更新*
BizRobo!上のブラウザ機能を用いてkintoneにログインし、画面上のボタン押下や入力を一つ一つ設定する方法。
2.RPAで外部API(kintone REST API)を用いたkintoneレコード更新
BizRobo!の「REST webサービス呼び出しステップ」を活用して、画面上での操作をせずにAPIによってログインやレコード更新を行う方法。
1番目の連携方法に関しましては、すでにご存じの方が多いと思いますので、REST APIを用いた方法に焦点を当ててBizRobo!とkintoneの連携手順を説明していきます。
*BizRobo!の公式学習サイト「My BizRobo!」では初めてRPAツールに触る人でも安心して扱えるように、充実した学習コンテンツが提供されています。1番目の連携方法について不安のある方はそちらを参考に実装してみましょう!
kintoneアプリの作成(会員情報管理アプリ)
- kintoneアカウントの作成(下記より無料トライアル用のアカウントを作成できます)
無料トライアル:https://kintone.cybozu.co.jp/jp/ad010/
会社名、勤務先メールアドレス、パスワード、氏名、勤務地(都道府県)、電話番号を入力
※「勤務先メールアドレス」と「パスワード」で入力した情報は、 kintoneログインに必要な情報となります。
また、「氏名」で入力した内容がそのまま kintoneアカウント名となります。
- kintoneアプリ、アプリ内の登録データ(レコード)の作成手順(kintone公式サイト(無料トライアル時の紹介ページ)より抜粋)
kintoneアカウントが作成できたら以下のkintone画面にて、アプリを作成することができます。
今回作成したkintoneアプリ「会員情報管理アプリ」
BizRobo!(RPA)の作成
続いて、前項で作成した会員情報管理アプリを更新するために、BizRobo!でロボットを作成していきます。
まずはロボットの全体像から確認してみましょう。
1.Load FileステップとView as Excelステップにより今回使用する情報更新用Excelファイルを指定します。
2.更新情報抽出グループは以下のような内容となっています。
先頭にLoop Rowsステップを置くことで全行の情報が更新されるまで繰り返し処理できます。
Loop Rowsステップ以降ではシート内の各列の情報を抽出していきます。
↓Excel(更新用ファイル)の内容
3.各列で抽出した情報をAPIによって更新する準備として、JSON形式で抽出した情報を割り当てていきます。
Assign Create Jsonステップでは、あらかじめ用意しておいた変数'createJson'にJSON形式のテキストを割り当てます。
テキストの作成には緑枠内の内容を参考に、ご使用になるアプリ番号、レコード名をご記入ください。
4.最後のステップです。Call REST Web ServiceステップではAPIを活用してkintoneアプリ内のレコード情報を更新していきます。
赤枠の黒塗り部分には更新対象となるアプリのURLを参照してご記入ください。緑枠内の形にしてURL欄に入力できればOKです。
リクエストには「PUT」「ローボディを指定」を指定し、リクエストボディには先ほど作成した変数'createJson'を指定してください。
コンテンツタイプには「application/json」と記入します。
オプション:クレデンシャルにはスタンダードを指定し、kintoneのユーザー名・パスワード・APIトークンを指定します。
※画像ではそれぞれの値が入った変数を指定していますが、直書きでもOKです。
フローの比較
今回作成した業務効率化システムについて、業務フローを比較することでどれだけ効率化できているかを確認しましょう。
既存のエクセルのみを用いた場合、手続きのフローは以下のようになります。
【画面操作によるkintoneレコード更新】
【外部API(kintone REST API)を用いたkintoneレコード更新】
ログインや入力、ボタン押下のフローを省略し、APIを呼び出すフローが追加されましたね。
では、これによりどのような効果が期待できるのか。次項ではREST APIを活用するうえでのメリット・デメリットについて解説していきます。
4.REST APIによる更新のメリット・デメリット
実装方法によるメリットとデメリット
- 画面操作によるkintoneレコード更新
メリット
・手動による更新の方法を順を追ってステップに設定すればよいので感覚的にRPAを実施できる。
デメリット
・一つ一つの行動を各ステップに設定する必要があるため、ステップ数が増えてしまい、可読性の低下や処理時間の延長が危惧される。
- 外部API(kintone REST API)を用いたkintoneレコード更新
メリット
・更新情報をAPIによって一括で更新するため、ログインやテキスト入力などの工程を省くことができ、可読性の向上や処理時間の短縮が期待できる。
デメリット
・APIを活用するための知識が必要になる。
やはり、従来の実装方法は作成の手軽さという点で評価できますね。
一方で、作成にあたって前準備が必要になりますが、一度設定できれば多くのメリットを享受できるのがAPIを用いた実装方法の良い点です。
まとめ
ここまで紹介いたしました、REST APIを活用した実装方法の利点をまとめると以下のようになります。
・可読性の向上
・処理速度の向上
・KCUの軽減 *
これらの恩恵は即効性があることに加え、長期で稼働させるほどより効果を実感できるものだと思います。
手軽さという面で従来の実装方法も素晴らしいですが、設定しなければならないステップが多い作業に関しては、ぜひAPIを活用した実装方法をお試しください!
* KCUとは?:ロボットの処理量を計測する指標(KCUとは? – BizRobo! ナレッジベース)
5.さいごに
今回はkintoneとBizRobo!を連携し、効率的に会員情報を管理・更新する方法をご紹介いたしました。
BizRobo!を始めたての方や、従来の方法のみでフローを作成していた方にとって、今後のRPA作成の一助になれれば幸いです。
弊社では複数のRPAツールを取り扱っており、お客様の業務に合わせたツールの提案が可能です。またPoCから導入支援、内製化サポートまで、一気通貫でのご支援が可能です。RPAでお困りのことがございましたら、一度BTCにお問い合わせください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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