【UiPath】図解 Orchestratorの紹介と各種用語とメリットの紹介
1.はじめに
今回はUiPath Orchestratorの機能や用語について紹介させていただきます。この記事は、Orchestratorの初学者、すでにUiPathを導入しているがOrchestratorは導入していない方、
また多岐にわたる業務に対してUiPathの導入を検討している方向けの記事となっています。 私自身、Orchestratorを学ぶ際にエンティティ(イメージでいうと設定項目)の多さに苦労しました。
本記事では、図式化してて比較的簡単に理解できるように書かせていただきました。また、Orchestratorを用いる利点に関しても、簡単な図式を用いて解説しています。
UiPath Orchestrator移行ポイントに関する記事もありますので、そちらも併せてご確認いただけると幸いです。
【UiPath】Orchestrator移行のポイント | BTC RPA (bigtreetc.com)
2.Orchestratorとは?
Orchestratorは自動化されたプロセス(RPA)を実行するロボットを体系的に統合するWebアプリケーションです。
もう少し簡単にいうとUiPathの自動化プロセスの実行や権限、ログの管理などを幅広く行えるものとなっています。
主な機能
プロビジョニング |
ロボットとAttendedユーザーとの接続を確立し、維持する機能 |
制御とライセンスの配布 |
ライセンス、ロール、権限、グループ、フォルダーの階層の作成、割り当て、メンテナンス機能 |
無人ロボの実行 |
キューやトリガーなどを用いて自動化ジョブの作成する機能 |
監視 |
ジョブやロボットのモニタリング、分析のためのログ保存機能 |
相互接続性 |
サードパーティーソリューションやアプリケーションの通信における一元管理機能 |
3.エンティティについて
Orchestratorとはなにかを理解するうえで、エンティティの理解が必要です。UiPathを学ぶ際に出てくるエンティティとは設定項目や動作などを意味します
ここでは各種エンティティについての解説とその関係性について簡単に説明させていただきます。
下図が主なUiPath Orchestratorに関する主な構成要素となっています。
Orchestratorを用いた自動化フロー作成から実行までの流れを表した図となっています。いくつかの用語が出てきますが、一部を除いて後ほど解説します。
まずは全体の流れを確認しましょう。 まずはUiPath Studioで作成したプロジェクトを「パッケージ」としてパブリッシュします。
パッケージ自体は実際の自動化フローが含まれます。たとえば、「このサイトから指定したデータをコピーする。そのあとにコピーしたデータをメールに添付して送信する」などです。
続いてパッケージとフォルダーを関連付けし、「キュー」や「アセット」と呼ばれるエンティティを設定した全体を「プロセス」といいます。プロセスはパッケージよりも広い概念で実行に際して必要なルールなどを含めたエンティティです。
最後にUiPath Robotによってプロセスを実行することを「ジョブ」といいます。 「ジョブとして実行する」などの表現がされます。
見慣れない用語が多いと思いますが、簡単いうとOrchestratorではプロセスを管理していて、ジョブとしてロボットが実行することもできるといったものになります。
ここまでが自動化フローの実行までのイメージとなります。
つづいてプロセスの管理方法としてテナント、フォルダーというエンティティについて解説します。
4.テナント、フォルダー
Orchestratorでは組織階層を作りだす機能として、テナント、フォルダーというエンティティというものがあります。テナントは設定項目やプロセスが切り離されています。
実務上では部署やプロジェクトごとに共有できる情報や自動化したい処理がことなるケースがほとんどだと思います。そういった際に部署ごとにテナントを分けるといった活用をします。
上図はテナントエンティティに含まれるもの、フォルダーエンティティに含まれるものを簡単に図にしたものになります。含まれるという表現ですが、
テナント単位、フォルダー単位で区切られている要素とイメージしていただければと思います。アクセス権を設定できるため、各種用語について解説します。
テナントエンティティに含まれるもの
ユーザー |
実際のユーザー、ロボットを指す(ロボットとはプロセスをジョブとして実行する実行ホスト) |
マシン |
ユーザーとロボットが操作するワークステーション。端末や仮想マシンなどを指す(例:PC) |
ライセンス |
AttendedとUnattendedのRobotを使用する権利。マシンがOrchestratorに接続する際に消費される
|
Webhook |
Orchestratorと他のアプリケーション通信を行うもの。 |
フォルダーエンティティに含まれるもの
アセット |
文字列、trueまたはfalse値、整数、ログイン情報などのデータ |
ストレージバケット |
オートメーションプロジェクトで使用可能なファイルを保存するために使用するエンティティ(例:PDFファイルやマシンラーニングモデルで試用するデータセットのためのストレージなど)
|
キュー |
アイテムを無制限に保持できるコンテナーであり様々な種類のデータを保持できる収納機能。(例:インボイス情報や顧客情報) |
トリガー |
これを使用することで定期的な実行をスケジュールすることやキューに追加された新しいアイテムに基づいてプロセス実行することが可能。(例:毎朝10時に実行を設定) |
その他の用語について
ロール |
ユーザーとロボットによるテナントとフォルダーエンティティへのアクセスを制御するために使用されるもの。アクションの種類は表示、編集、作成、削除があり、キューのアクセス権などの設定も可能。 |
以上が各種用語の説明となります。その他にもいくつかの用語やエンティティが存在しますが、今回は割愛させていただきます。
自動化フローを管理するための多岐にわたる機能が幅広く存在することがわかると思います。これらの機能を駆使することで、自動化フローを確実かつ安定したものにすることが可能です。
ここまではOrchestratorによってできることやエンティティの解説をしてきましたが、続いてはOrchastraotrを使わずに運用するときとの比較をし、Orchestratorを用いる利点をいくつか紹介させていただきます。
5.Orchestratorを用いる利点
・プロセス更新や追加の簡単さと管理のしやすさ
上記がOrchestratorを用いたときとの比較になりますプロセスの追加や更新時には、Orchestratorから各種マシンに直接デプロイすることが可能です。
一方、Orchestratorを使用しない場合、今回はクラウド管理を例にしましたが、クラウドへのアップロードと端末ごとのダウンロードが必要になります。
端末間のデグレや複数端末へのダウンロード作業を考慮すると、Orchestratorを用いてデプロイできる利点は非常に大きいといえます。
・プロセス実行の手軽さ
Orchestratorを用いることで、プロセスの実行が非常に容易になります。たとえば、時間やキューにアイテムが追加された場合などをトリガーとして、プロセスを自動的に実行することが可能です。
また、テナント内のライセンスを超えない範囲で自動的にライセンスを割り当てることもできます。
一方、Orchestratorがない場合は、プロセス実行時にマシンごとにライセンスを手動で割り当てる必要があり、複数のプロセスを実行する際には、ライセンス管理の負担が大きくなってしまいます。
・アクセス権の管理の利便性
Orchestratorを用いることで、ユーザーのアクセス権を詳細に設定することが可能になります。テナントやフォルダー、ストレージなど、さまざまな単位でアクセス権を設定できます。
一方、Orchestratorを使用しない場合は、一般的な組織におけるアクセス権管理に依存することになります。RPAの自動化フローが複数存在する場合や、部署間で情報を厳密に管理する必要がある場合、
Orchestrator上で一元管理できる機能は大きな利点となります。
・その他の利点
Orchestratorを使用することで、プロセスの監視や管理が容易になり、スケジュール管理やスケーラビリティの向上が図れます。
また、セキュリティ機能により、情報資産を保護しながら、効率的に自動化を進めることが可能です。
これらの利点から、OrchestratorはRPA運用を効率化し、安全性を高めるための不可欠なツールといえます。
6.さいごに
今回は、Orchestratorの用語解説とOrchestratorを用いる利点を説明させていただきました。
Orchestratorは、UiPathのロボットを効率的に管理し、スケジュール設定やモニタリング、ログの管理などを行うための強力なツールです。初めて触れる方にとっては、その多機能さや専門用語に戸惑うこともあるかと思います。
しかし、各機能の役割や用語をしっかりと理解することで、自動化フローの管理が格段に容易になります。多岐にわたる機能や用語の理解にお役立ていただけたなら幸いです。
弊社では複数のRPAツールを取り扱っており、お客様の業務に合わせたツールの提案が可能です。またPoCから導入支援、内製化サポートまで、一気通貫でのご支援が可能です。RPAでお困りのことがございましたら、一度BTCにお問い合わせください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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